労る気持ち ページ3
ズキズキ痛みを主張する頭を、無理矢理抑え込んで試合を記録する。後20秒…頑張れ…。それはファイターに対する応援なのか、はたまた自分への鼓舞なのか。それが分からないまま午前中の試合が終わった。
しずえ「お疲れ様ですAさん」
『お疲れ様です』
しずえ「あれ？もしかして、体調がよろしくないのですか？顔が真っ青です」
『え？ああ気にしないでください、ただの寝不足です』
しずえに見抜かれてしまったが手を振って笑って見せた。そのまま通り過ぎてマスハンの部屋を目指す。一歩一歩踏み込む度に霞む視界。
(あ、やば)
支えようと腕を床に伸ばすが、それさえも叶わずバタリと倒れた。自分の名を悲痛に呼ぶしずえの声が最後に聞こえた。
＿＿＿＿＿＿＿
マスハン「こんなことをさせるつもりではなかったのですが…」
ナナ「Aおねえちゃーん！しんじゃやだーー!!!」
ポポ「もっといっぱい遊びたかったよー!!!うわー！」
サムス「静かにしないと起きてしまうぞ」
しずえ「だ、大丈夫ですよ！気を失っているだけです！…それにしても、Aさんはそんなに過酷な労働をしていたんですか？」
医務室で眠るAにしがみつきながらわんわん泣くアイスクライマー。Aを運ぶ途中で行き会ったサムスが二人を宥める。しずえはマスハンを向いて首を傾げた。
マスハン「仕事自体はそんなに大変なものじゃなかったし、むしろ休暇を与えると言ったんですけど「どうしてもやる」と聞かなくてですね…あの時止めておけば良かったです」
サムス「亜空の使者の再来以来、Aは更に無理をするようになった。何か忘れたいことでもあるんだろうな」
しずえ「…全て、私たちのせいなんですかね…」
サムス「そんなことはない。確かに隙を見せた私たちにも非はあるだろうが、大元はタブーだ。気にするな」
俯いたしずえの両肩にサムスが手を乗せる。まるで子供を励ます母親のような眼差しを、今度はAに向けた。
ナナ「…ねぇ、Aお姉ちゃんがおきるまでに、お姉ちゃんのことを休ませてあげるさくせんを考えようよ！」
まだ涙目のナナを、その場の全員が振り向いて見つめた。
しずえ「…す、素敵です！私もお部屋に戻って考えてみますね！」
サムス「いいな…Aにはたっぷり休んでもらおうじゃないか」
サムスの声を筆頭に、各々がAへの休暇のプレゼントを企画し始めた。彼女が本当に安心出来る場所を、残してあげたい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 17人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
粗大ゴミ(プロフ) - ゆなさん» コメントありがとうございます！文章力の衰えを感じますが、また頑張って行こうと思います！ (5月19日 21時) (
レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
粗大ゴミ(プロフ) - Rinkaさん» コメントありがとうございます！暫く動かしていなかったので、模索しながら頑張りたいと思います…！ (5月19日 21時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - すごく面白くいつの間にか最後まで見ていました！更新されるのを楽しみにしています！頑張ってください！ (2023年5月12日 17時) (レス) id: 72b9171e3b (このIDを非表示/違反報告)
Rinka(プロフ) - 更新頑張ってください！応援してます( *´꒳`*) (2023年4月23日 10時) (レス) id: d052d1df7c (このIDを非表示/違反報告)
粗大ゴミ(プロフ) - ラムミのサブ垢【YouTube】さん» コメントありがとうございます！はい！頑張ります！ (2022年12月17日 1時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：粗大ゴミ | 作成日時：2022年12月16日 4時
