平行世界(Mr.ゲーム＆ウォッチ) ページ12
黒い線が見えた気がした。もう一度来た道を戻ってみると、やはり彼はそこにいて手足をバタバタさせているところだった。
『ゲッチ、もしかして出られないのか？』
壁の僅かな隙間に頭から突っ込んでしまっていたゲムヲが、片手だけをひらひら振って応えた。何故ここに隙間が出来てしまったのか知らないが、とにかく彼を引っ張ってみる。
『じゃあ引くよ…っふん！』
ミシミシ、と良くない音が聞こえたが無事抜け切ることに成功した。立ち上がったゲムヲがピコピコ音を鳴らしてAに抱きつく。といっても紙のようにぺらぺらな体では、角が少し刺さって終わりなのだが。
『どういたしまして！それより自分が通ってよかった、誰にも気づかれないぞあれだと…ってあはは！擽ったい！』
抱きしめてきた手で脇腹を擽られた。薄い手からは考えられない様な手つきでこちょこちょしてくるものだから、上手く対応出来ずに尻もちをついてしまった。
『あってて…ごめんごめん、もう変なこと言わないって…ふふ』
ゲムヲ「ピコピコ！」
『んー？どうした？自分にもやってほしいって？いいよ』
一応構造は人間と似てそうだがどう触れば良いのか困った。するとゲムヲの方からAの手を掴み、脇の下へ導いてきたのだ。
『ここ？』
ゲムヲ「ピッ！」
『いくよ〜？ほーら！』
ゲムヲ「ピピピッ！ピコピコッ！」
ゲラゲラ大笑いしているかのように電子音を響かせるゲムヲ。お互い楽しくなりすぎて、床にゲムヲを押し倒す形になってしまったことに気づかなかった。そこへトゥーンがやって来た。
トゥーン「マスターに見つかる前に壁直さないと…ってA姉ちゃん!?」
『べぁっ!?トゥーン!?』
トゥーン「うわー！A姉ちゃんがゲッチを襲ってるよー!!!!!!!」
『違っ！…いや違うから!!!!!!!待ってトゥーン!!!!!!!』
Aがトゥーンを追いかけるためにゲムヲから退くが、彼は暫く床に倒れたままだった。黒一色だったはずの彼の顔は、少しだけ赤くなっているようにも見える。
トゥーン「ステージに行くまでに廊下で剣振り回してたら壁に穴開けちゃって…マスターにバレたら怒られるからこっそり隠そうとしたんだけど」
『そういう事だったのか…ちゃんと正直に言うんだよ？あと、あれはただくすぐりあってただけだからな…ホントだよ？』
トゥーン「わ、分かったよ！じゃあ後でオイラからA姉ちゃんにもしていい？」
『今度遊ぶ時に皆でやろうか！』
続く
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粗大ゴミ(プロフ) - ゆなさん» コメントありがとうございます！文章力の衰えを感じますが、また頑張って行こうと思います！ (5月19日 21時) (
レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
粗大ゴミ(プロフ) - Rinkaさん» コメントありがとうございます！暫く動かしていなかったので、模索しながら頑張りたいと思います…！ (5月19日 21時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - すごく面白くいつの間にか最後まで見ていました！更新されるのを楽しみにしています！頑張ってください！ (2023年5月12日 17時) (レス) id: 72b9171e3b (このIDを非表示/違反報告)
Rinka(プロフ) - 更新頑張ってください！応援してます( *´꒳`*) (2023年4月23日 10時) (レス) id: d052d1df7c (このIDを非表示/違反報告)
粗大ゴミ(プロフ) - ラムミのサブ垢【YouTube】さん» コメントありがとうございます！はい！頑張ります！ (2022年12月17日 1時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：粗大ゴミ | 作成日時：2022年12月16日 4時
