エピローグ ページ50
彼女の伸ばされた手をとり、同じように弓を持って構えた。焦点は勿論キーラとダーズが抑えるタブー。矢をぐいと力強く引く。
ゼルダ「いきますよA!」
『はい!』
タブー「やめろ…こうなったら貴様ごと取り込んでやる…!」
Aの足元から沢山の手が伸びてきて絡みつく。足首から力が抜けていく感覚、しかしそれをも凌駕するゼルダの光に圧倒されて何とか踏みとどまることが出来た。
ゼルダ「潔く去りなさいタブー。貴方を消滅させます…!」
バッと離された二つの手が、矢を真っ直ぐに飛ばしてタブーの核を射抜いた。タブーの全身にヒビが入り、地面に叩きつけられる。無数の手は霧散していた。
タブー「はっ、な…ぜ」
キーラダーズ、ゼルダが見守る中Aはタブーに近づく。そして膝まづき、慈愛の目で彼を見つめた。
『タブー。貴方のしたことは許されることではありません。しかしこれだけ大きな野望で蘇ったということは、まだ生きる希望を捨てていないということですね。ならば、自分たちと…やり直してみませんか?』
見上げるタブーに手を差し伸べる。Aは敵にさえも救済を与えているのだ。表情が読み取れないタブーには、今何を考えているかなんて想像もつかない。もしかしたら、改心してくれる可能性が
タブー「ふっ、貴様は情に熱くて哀れだな」
ふいに、左側の視界がシャットアウトした。次に熱さと痛み。何が起こったのか分からないままタブーを見ると、既に彼は霧散した後だった。目から何か流れてくる。触って確かめるも意識が遠のいて、指についた鮮血が最後の記憶となった。
ゼルダ「A!ああなんてこと…」
キーラ「目玉を取られたのか…血が止まらない」
ダーズ「誰しもが差し伸ばされた手をとる訳では無い。コイツはその一人だったってことだな」
〜〜〜〜〜〜〜
あれから数ヶ月。眠っていた自分は、ファイターたちに沢山のお世話をされた。皆今までのことで心底申し訳ない気持ちなんだそう。全身包帯のソラとパックンも、同じ部屋で看病されていて、今では3人で笑いあって会話をしている。
キーラとダーズは、また自分の中で眠っているのだろう。緊急事態になったら助けてくれるといいな。彼らのことは秘密だ。
潰された片目は、修復されて白く変色してしまった。いずれ治るらしいのでとりあえず眼帯をしてみた。今でも陽が眩しい。
ゼルダ「A!行くわよ!」
『はい!』
眼帯の彼女は幸せそうだった。
End
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粗大ゴミ(プロフ) - 青い氷さん» コメントありがとうございます!こんな妄想の垂れ流しを褒めてくださるなんて嬉しいです…!拙い駄文ですがゆっくり投稿していきますので是非最後までお付き合い下さい(*^^*) (2022年8月13日 15時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
青い氷(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください!!応援してます! (2022年8月11日 21時) (レス) id: 76e242a4de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:粗大ゴミ | 作成日時:2022年6月16日 1時