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温存なんてできやしない ページ35

今日は日本風の町に来てみた。都会とは言い難いような緑の多さがやけに新しかった。


キーラ《A、昨日受けたダメージがまだ残っているだろう。いつもより入る力が弱いぞ》


『やはりバレますか』


ダーズ《貴様の無理には散々付き合ってきたつもりだ。だが命は絶対に落とすなよ》


『分かってますよ』


自分が死んだら、この世界がどうなるか分からない。だから生き延びるんだ。



『…と意気込んでいたのに』


何故、自分は今カズヤと対面しているのでしょうか。確か、騒がしい道場の前を通ったらいきなり胸倉を掴まれて中へ放り込まれたんだっけか。お陰で壁に凹みが出来たじゃないか。


『いてて…』


カズヤ「お前の中にいるヤツらとそこの植物、加勢するな。俺と1体1の勝負をしろ」


どうやらカズヤはこの道場で人を呼び込み、負けたものを侵食していたらしい。周りの人達の目が怖い。そして中にキーラとダーズがいることもバレている。


キーラ「仕方ないな。A、危なくなったら逃げるんだよ」


ダーズ「貴様なら、あんなやつなどに負けぬことを我は分かっているつもりだ」


『はい…善処します』


取り憑かれた者が試合初めの合図を出す。まずは相手の出方を…


『ってわぁ!』


ブオンッと素早い拳が飛んでくる。出方を窺うこちらが先に殺られてしまいそうだった。容赦なくデビルの力を使ってくるカズヤに、手加減なんて感じなかった。


(本気なのか…でもここで勝てば、彼を取り戻せる!)


何時ぞやのカズヤとの戦い。彼との親交を深めようと挑んだ無謀な体術訓練。あれは最早訓練では無かったが、Aにとっていい練習相手だった。何しろカズヤは本気で殺しには来なかったからだ。むしろ少し気を抜いているようにも感じていた。そんな彼が今、Aを殺すために戦っている。


『なら尚更!全力で応えてやりますよ!!』


武器無しの闘いに不慣れなAが取り敢えず適当にグーで殴る。勿論躱されて背中に一撃食らってしまった。


『う"ッ』


カズヤ「話にならん…本当にこんな奴を殺すだけでいいのか」


この発言からして、カズヤも主の報酬に目が眩んだ一人だろう。それから起き上がろうとしているAに右フックを仕掛けた。


『ぶっ』


カズヤ「お前は、味方がいなくては何も出来ないのか。所詮、何も」


…分かっている。


『自分が弱いことくらい、理解してますよ…!』


腕に力を込めて起き上がる。いつの間にか切れていた頬から血が流れた。

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粗大ゴミ(プロフ) - 青い氷さん» コメントありがとうございます!こんな妄想の垂れ流しを褒めてくださるなんて嬉しいです…!拙い駄文ですがゆっくり投稿していきますので是非最後までお付き合い下さい(*^^*) (2022年8月13日 15時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
青い氷(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください!!応援してます! (2022年8月11日 21時) (レス) id: 76e242a4de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:粗大ゴミ | 作成日時:2022年6月16日 1時

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