有り得ないこと ページ32
あと一歩遅かったら頭に穴が空いていた。ゆっくり立ち上がってその矢を観察すると、誰のものなのかすぐにわかった。
ベレト「流石だな。だが次は外さないぞ」
『やっぱり貴方も居ましたか…』
ベレト「ベレスがAを殺したくないと聞かなくてな、悪いが見捨てさせてもらった。俺一人でも、お前は倒せる」
ベレスが敵の思考に乗っ取られなくて本当に良かった。何しろファイターとはなるべく争いたくない。豪華な装飾のついた手すりを触って体温を下げる。冷たい手すりは呆気なくベレトのアイムールで破壊されてしまった。
『うっ!』
ベレト「隙は与えないぞ」
縦に振ったアイムールを今度は横に振ってAを叩く。治りかけの傷を直接攻撃されたAは、微量の血を吐いて遠くに飛ばされた。
『がっっ』
キーラ「すまん出るのが遅れた…!」
キーラが羽でAを守る。羽に直撃したアイムールが摩擦を起こして弾かれた。そこをダーズが触手でアイムールにしがみつく。
ベレト「くっ…!放せよ!」
力強く振り回されて2人が弾き飛ばされてしまった。無防備になったAは横向きになって必死に腹を抑える。ベレトが鞭を構えたとき、パックンが飛んできた。
ベレト「うわっ!いっ」
鋭い牙がベレトの肩を抉り、茎を回してベレトを吹っ飛ばした。恐らく彼はフィギュアになったであろう。パックンがAの腹を一緒に抑えて不安な顔をしていた。
『あり、がと…大丈夫、傷は開いてないよ…ゴホッ』
キーラ「やれやれ、連戦は勘弁して欲しいな」
ダーズ「無事そうだな、一旦城に戻り休息をとるぞ」
自分で起き上がれるというのにパックンは軽々と持ち上げてくれた。キーラとダーズがフィギュアを回収する。かつて敵だった者とこうやって協力して助けられている。こんな関係がどこにでもあればいい。平和を願ってパーティ会場を後にした。
〜〜〜〜〜〜〜
念の為フィギュアの台座一つ一つに布を巻くことにした。この城に敵が出現することがしばしばあるので、復活させられないようにだ。ベレトスの台座に巻き終わったAが汗を拭う。
『これで防犯にはなった…か』
キーラ《腹が減ったな。A、コーンスープが飲みたいぞ》
『はいはい、作ってあげますよ』
今ではキーラとダーズも体から出てきて一緒に食事を摂ることも増えた。その分用意をしなくてはいけないのだが、誰かいるのは悪くない。コンロに火をつけながら粉末を取り出した。
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粗大ゴミ(プロフ) - 青い氷さん» コメントありがとうございます!こんな妄想の垂れ流しを褒めてくださるなんて嬉しいです…!拙い駄文ですがゆっくり投稿していきますので是非最後までお付き合い下さい(*^^*) (2022年8月13日 15時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
青い氷(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください!!応援してます! (2022年8月11日 21時) (レス) id: 76e242a4de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:粗大ゴミ | 作成日時:2022年6月16日 1時