一人 ページ4
庭に静かになったロイを並べて考える。何故彼は襲ってきたのか。何故突然フィギュアになったのか。
『「我が主」って…誰だ』
Aを見つけたときにロイが放った「我が主」という人物。もしかしたら、彼らを操っている者が本当にいるのかもしれない。
『とにかく全員を集めよう。まだ解放するのは怖いけど、きっと自分一人でもなんとかなるはず…!』
パックンを見て大きく頷く。ふと、腹の虫も大きく反応した。
『…あ、はは。パックンはお腹すいてない?中、入ってみようか』
腹が減っては戦は出来ぬ。一先ず夕食を取りに行くことにした。厨房に移動する際にも誰にも会わなかったため、やはり全員それぞれの世界に行ったのだなと納得した。いつも使っている厨房には、今は誰もいない。こんなに広かったっけ。冷蔵庫に手を伸ばし、適当に食材を並べてみる。
『そっか自分料理出来ないんやった』
謎の関西弁を交えて自己完結する小ボケ。その場にあった料理本をパラパラ捲って簡単そうなものをチョイスした。
『あちっ!また火傷した』
飛んできた油で指を焼いたり包丁がズレて手を刺したりと、慣れないながらも一生懸命作っていた。なんとか完成したものをテーブルの方に持って行って座る。
『…味は、まあまあ』
パックンにも分けてやると、嬉しそうに食べ始める。どうやら彼の口には合ったようだ。二人きりの食事。食べることさえ久しぶりな気がして、一口手をつけてぼうっとしていた。
『…話し相手が、欲しい…皆の料理が食べたい…ぐすっ』
どうしてこんなことになった。自分に課せられた試練なのか。段々と暗い感情に飲み込まれる。心臓が痛くなって、広い空間に恐怖さえ覚えた。
『っはぁ…はっ…あ、これ』
息が詰まりかけて、視界の端に青い光が見えた。それはゼルダがくれたお守りの腕輪。その輝きは、Aの暗い心を晴らしてくれるように美しかった。すーっと胸が軽くなる。
『…こんなこと言ってられない。ゼルダさん、絶対助けに行きますからね!』
残りのご飯を食べて、その日は念の為外で寝ることにした。傍にはずっとパックンが寄り添ってくれて、暖かかった。
〜〜〜〜〜〜〜
『こ、こんな速いっけソニックさんって〜!?』
只今音速のハリネズミに追いかけ回されています。といってももう追いつかれそうだが。街中を追いかけられてもうヘトヘトだ。何故かAだけ追われてパックンが必死に着いてきてくれている。絶体絶命だった。
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粗大ゴミ(プロフ) - 青い氷さん» コメントありがとうございます!こんな妄想の垂れ流しを褒めてくださるなんて嬉しいです…!拙い駄文ですがゆっくり投稿していきますので是非最後までお付き合い下さい(*^^*) (2022年8月13日 15時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
青い氷(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください!!応援してます! (2022年8月11日 21時) (レス) id: 76e242a4de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:粗大ゴミ | 作成日時:2022年6月16日 1時