ネズミたち ページ28
ダーズ「誰か?…ああ、アイツか」
『だ、誰だか分かったんですか…?』
ダーズ「…いや」
少し間を置いたダーズを怪しんだが、今は眠ることにした。腹の傷も大分和らいで一番落ち着いている。大人しく瞼を閉じた。
キーラ「そうだ、寝てしまいなさい。周りは私たちが見張っておくから」
『すみません…ありがとう、ございます』
Aの意識が完全に落ちたことを確認すると、キーラがダーズに近寄る。
キーラ「ダーズ、お前も気づいたか?」
ダーズ「ああ。だが今Aが縋ってしまったら、何かあった時にAが対処出来んだろう。それに…」
冷えないようにパックンがAにタオルをかけているその奥に、気配を感じた2人は振り向く。バチリと鳴る雷音が草むらから覗いた。
ダーズ「我らの器だ。あのローブがいなくても我らが守らなくては」
キーラ「そうだな。面倒な借りはごめんだ」
草むらの気配より先に雷が落とされる。キーラが羽でAを守り、落とした張本人をダーズが睨んだ。草むらの気配も飛びかかるが、パックンが葉を回してガードした。
ピカチュウ「ヂュゥゥ…」
キーラ「鼠よ。お前の相手は私だ」
ピチューと戦い始めたダーズに合図して離れる。キーラがピカチュウを煽って羽を瞬かせた。2つの交戦を見守りつつ、Aを見張るパックン。そんな彼は、背後の存在に気づけなかった。2人はフィギュアを見ながらふよふよ浮いていた。
キーラ「造作もないな。さてA、部屋に戻る」
ぞ、と言いかけた言葉が止まる。Aが寝ていたはずのベンチには、のびたパックンと落ちたタオルがあるだけだった。
〜〜〜〜〜〜〜
何故、こうも攫われることが多いのだろうか。布袋に詰められているらしい体は、腹に負担がかかりうずくまるしかなかった。
Jr「これでお父さんも、喜んでくれるはずだ!でも、なんでお父さんはコイツが欲しいんだ?まさか…オイラのお母さんになるのか!?」
攫ったのはクッパJrらしい。袋の外から聞こえる声は、独り言だろうか?いや、クッパ軍団がいたはずだ。それに一人では対抗できない…。だが今のセリフからするに、ジュニアはAをどうする事が目的かは分かっていない。
『…ジュニア』
Jr「ひっ!今お前が喋ったのか!?」
この子は少し抜けているのか、袋を開けて覗いてきた。案の定取り憑かれた様子の彼は困惑していた。手を伸ばして優しく頬を撫でた。
『大丈夫、君に悪いことはしないよ』
15人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
粗大ゴミ(プロフ) - 青い氷さん» コメントありがとうございます!こんな妄想の垂れ流しを褒めてくださるなんて嬉しいです…!拙い駄文ですがゆっくり投稿していきますので是非最後までお付き合い下さい(*^^*) (2022年8月13日 15時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
青い氷(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください!!応援してます! (2022年8月11日 21時) (レス) id: 76e242a4de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:粗大ゴミ | 作成日時:2022年6月16日 1時