一瞬の出来事 ページ21
ビシュッ!
ゼニガメの吹く水が足元を狙う。走りにくい砂浜を駆けてAは逃げていた。
『はぁ!はぁ!どこか隠れるところ…っ冷たっ!』
水をたちまちたっぷり含んだ砂はAの足を絡めとる。抜け出そうと藻掻くがビクともしない。ゲッコウガがいつの間にか真後ろにいたらしく、両手を後ろで組まれてしまった。
『やられた…』
ダーズ《油断するな。まだ助かる余地はある筈だぞ》
今は抵抗しても仕方ない。大人しくゲッコウガに捕まっていると、ゼニガメがパックンの首を持って引き摺って来た。ぞんざいな扱いに心が痛んだが、攻撃をする気は無いようだ。
『?どういうことだ?』
レッド「よくやったな!ゼニガメ、ゲッコウガ!」
『!』
上空から、リザードンに乗ったレッドが降りてくる。フシギソウもリザードンに掴まっていた。ゼニガメだけな訳がないと思っていたが、手分けして探していたのか。これまた厄介だ。
『レッド…』
レッド「これで俺たちは強くなれる!いくぞ!三位一体!!」
ここで三位一体か…!反射で目を瞑る。しかし痛みは感じられない。少しずつ目を開けて、状況を確認した。
『キーラ!ダーズ!』
キーラ「全く、諦めてもらっちゃ困るよ!」
ダーズ「今なら抵抗し放題だぞ!」
二人の羽と触手が見事三位一体のビームを防いでいる。相当な力を使っているだろう。Aはゲッコウガの足に自身の足を引っ掛け転ばせた後、抱擁でフィギュアにする。すかさず銃をとりだし羽と触手の間からレッドの頭を狙う。
パァンッ
一つ、銃声が響いてレッドが地面に落ちた。更に困惑するポケモンたちは、ゼニガメに握られたままだったパックンがトゲトゲの葉っぱで振りほどいて倒してくれた。
『…う』
キーラ「なんだどうした?」
『あ、改めて人の頭を撃ったと思うと…』
口を抑えるAにパックンが寄り添う。フィギュアたちはキーラダーズとパックンが持ち、Aは吐き気を我慢しながら城へと帰還した。
〜〜〜〜〜〜〜
キーラ《大分集まったな!庭が彫刻の広場になったぞ!》
『たしかにこうやって見ると美術館みたいですね…』
フィギュアがずらりと並ぶ庭で夕飯をとる。最近は丁度いい気温だから、こうやって寂しくないように外で食べることが増えた。しかし問題は、これまで武術に長けた者が出てきていないこと。これが心配であり不安の種でもあったのだ。
『…ちょっと筋トレしようかな』
ダーズ《やり過ぎるなよ》
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粗大ゴミ(プロフ) - 青い氷さん» コメントありがとうございます!こんな妄想の垂れ流しを褒めてくださるなんて嬉しいです…!拙い駄文ですがゆっくり投稿していきますので是非最後までお付き合い下さい(*^^*) (2022年8月13日 15時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
青い氷(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください!!応援してます! (2022年8月11日 21時) (レス) id: 76e242a4de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:粗大ゴミ | 作成日時:2022年6月16日 1時