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弱い生き物 ページ19

ここには誰もいない。パックンも、キーラダーズも、チコたちでさえいなくなってしまった。所詮自分は誰かいなければ何も出来ない弱い者。ましてや人数に、男に敵うわけないのだ。


『う"』


フォックス「なぁどうなんだよ、仲間に見捨てられる気分は。チコなら全員逃げたぞ」


違う違う。この人は、フォックスさんはこんなこと言う人じゃない…!偽物だと分かっていても、本物と同じ容姿で発言してくるから騙されてしまう。どんどん心が、闇に沈んでいく。頭を鷲掴みされて髪を引っ張られた。


『かはっ!』


ウルフ「女を弄ぶのも中々面白いモンだなぁ」


『やめてくだ…さ』


ウルフ「あ?こりゃ俺の爪痕か?…いいじゃねぇか、もっと付けてやるよ」


服の隙間から見えたのだろう傷を確認するウルフ。そう言って首筋に爪を一本立てた。灯火の時とは違ってゆっくり、じわじわと深い傷が残されていった。


『痛い!いぃた…い』


ファルコ「爪に乗る血が生々しいな…興奮してきたぜ」


駄目だこのままじゃ殺される…!思い切って頭を振った。掴まれた所から毛が数本抜ける。勢いよく立ち上がり、フォックスに頭突きを食らわせた。


フォックス「がっ!!」


ウルフ「何!?」


『今だっ!』


ウルフに蹴りを入れ、怯んでいる間に正面から覗き込んでいたファルコにしがみつく。全てが一瞬で、フォックスとファルコはフィギュアになって地面に転がった。


『やった…!』


ウルフ「このっ!」


体制を立て直したウルフがAを押し倒す。衝撃で首の傷が痛んだ。血が首を流れているのがよく分かる。ウルフは殺気立ってAの腕を強く握った。


ウルフ「殺すまでの猶予を与えてやったつもりだが、もういいだろう!その首噛みちぎってくれる!!」


グアッと大口を開けてAの首に噛み付こうとしたウルフが、突然意識を失って倒れてきた。その後ろには、先程助けたチコたちが太めの薪を持っていた。


『ち、チコ!』


チコ「チコっ!」


ウルフが鈍い光を放ちフィギュアになる。重みを退かしてチコたちを抱きしめた。


『ありがとう…必ず君たちのお母さんも戻してみせるからね!』


チコはそれぞれ楽しそうに踊ってから、どこかへ向かう。それとなくついて行くと、そこには操縦席が。


『もしかして、帰れるのか?』


チコ数人が操縦し、立っていた草原が揺れた。どうやらここは宇宙船だったらしい。帰還できる安心に胸を撫で下ろし、フィギュアたちを纏めておく事にした。

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粗大ゴミ(プロフ) - 青い氷さん» コメントありがとうございます!こんな妄想の垂れ流しを褒めてくださるなんて嬉しいです…!拙い駄文ですがゆっくり投稿していきますので是非最後までお付き合い下さい(*^^*) (2022年8月13日 15時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
青い氷(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください!!応援してます! (2022年8月11日 21時) (レス) id: 76e242a4de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:粗大ゴミ | 作成日時:2022年6月16日 1時

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