大事な味方 ページ12
《君は意外と淡々としているね》
夜中、突如として聞こえてきた声に脳が覚醒する。瞬時に飛び起きて辺りを警戒した。
キーラ《おっともう忘れたのかい？私だよ。キーラさ》
ダーズ《我もいるぞ》
『あ…え、キーラ？ダーズ？』
キーラ《相当不味いことになってるじゃあないか。私たち以外にも、マスターハンドを操れる者がいたとはね》
ダーズ《近頃貴様の動きが活発だと思って起きてみたら、なんてザマだ》
寝起きで更に混乱しているAを放って次々と話し出す2人。とりあえず落ち着こうと食堂に温かいものを飲みに行った。
〜〜〜〜〜〜〜
トマトスープから立ち上る湯気をぼうっと眺める。それを喉に通すと、キーラが声を上げた。
キーラ《ん〜！美味！久しぶりの食事が人間のものとは…しかし美味いなぁ〜！》
『え、味伝わってるんですか？』
ダーズ《貴様の感覚が我らの感覚。言わば一心同体なのだろう》
『んーなんか変な感じですけど…あ、お2人は自分から出ることって可能ですか？』
キーラ《んん？いけると思うが…ほっ！》
胸が暖かくなって、そこから白い光の玉が出てくる。ゆっくり話が出来て、存在が視認できることに自然と涙を流した。
キーラ「な、なんだい！？なにかしたかな！？」
『ちっ違うんです！人と話すのが久しぶりで…』
さっき「淡々としている」なんて言われていたが、そうじゃない。寂しい気持ちを無理やり抑え込んで、平気なフリをしていたら感情が出にくくなってしまっただけだ。人は、独りだと狂ってしまうから。
キーラ《君は独りじゃない。私たちもいるし、あの植物だってずっと一緒に戦ってくれていたはずだよ》
そうだパックンもいる。白い光が寄り添う。味方が増えたことに安堵して口元が緩んだ。瞬間気配を察知する。
ダーズ《貴様も気づいたか…いるな》
『誰だ…』
ズシンッ！と大きな音を立てて落ちてきたのは、大剣を携えたガノンドロフだった。彼はゆらりと立ち上がって剣を引き摺りながらこちらへ歩みを進めた。
キーラ「もはや獣だな。A、戦えるか？」
『…少し様子を見ましょう。相手の出方を窺います』
キーラ「よろしい」
うぉおおお！という叫びが城中に響く。耳を抑えて瞑っていた目を開けると、ガノンドロフが目の前まで突進して来ていた。
『！まずっ』
ズバァッ！
大剣が大きく振るわれ、Aは食堂の壁に思い切り叩きつけられる。手の中のトマトスープが宙を舞った。
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粗大ゴミ(プロフ) - 青い氷さん» コメントありがとうございます！こんな妄想の垂れ流しを褒めてくださるなんて嬉しいです…！拙い駄文ですがゆっくり投稿していきますので是非最後までお付き合い下さい(*^^*) (2022年8月13日 15時) (
レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
青い氷(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください！！応援してます！ (2022年8月11日 21時) (レス) id: 76e242a4de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：粗大ゴミ | 作成日時：2022年6月16日 1時
