検索窓
今日:32 hit、昨日:27 hit、合計:10,537 hit

そのときはやってきた ページ1

起床。やけに静かだ。昨日ゼルダの故郷から帰ってきてから、どれぐらい寝たんだっけ。むくりと起き上がる頭の中は酷く冴えていた。


『…まさか』


何となく察しているが嫌な予感というものは当たる。今起こっていること、これからどうなるか、全て手に取るように予測出来そう。とにかく普段着に着替えて身だしなみを整え、護身用である短剣と軽い銃を装備した。もちろんおまもりの腕輪も忘れずに。慎重に、扉を開ける。


(何も聞こえない…誰もいないみたいだ)


念の為音をなるべく立てずに移動。食堂、浴室、ステージ、広間。どこにも誰の影もなかった。こういうとき頼りになるのがマスターハンドなのだが、彼の部屋をあけると当人が倒れ込んでいたのだ。


『!マスター!!』


駆け寄って触ろうとした瞬間、彼が徐に起き上がった。びくりと体が強ばる。


(いつものマスターじゃ、ない?)


気づいた頃には時すでに遅し。その大きな手に体ごと握られたのだ。


『あっ!いぃぃづっ!』


みしみしと骨の音が聞こえてきて、必死に腰の銃を手探りで掴む。何でもいい当たれ!乾いた発砲音が合図だったかのように、この部屋の周りに気配が出現した。


(!こんなにいっぱい…勝てるはずない!)


マスハンから抜け出したAは部屋を飛び出し一目散に外へ走る。姿は見えないけれど、恐らくこの気配はファイターたち。明らかに邪な空気を、胸いっぱいに吸う気にはなれずにがむしゃらに玄関扉まで走り抜けた。バァンと大きい音と眩しい光がAを出迎え、立ちすくんでしまったがそれも束の間。後ろから誰かが追ってきていた。


『っガオガエン!ヨッシー!』


呼ばれた二人は反応もせずに追いかけてきていた。二人とも体に
邪悪な空気を纏わせて黄色い目をギラギラさせる。これではまるで…


(亜空の使者の再来…!)


あの影虫たちの悲劇を思い出して身震いをした。とにかく走らなくては。先の門をくぐり抜けたところで何かが後ろでぶつかり合う音がした。


『えっ』


咄嗟に振り返る。Aの上を、華麗に飛びながら逆光で見えないその姿は確かに二人をせき止めて戦い始める。あまりの出来事に腰を抜かして座り込んだ。


『誰…?』


二人が倒れて、フィギュアになる。静かになったその場には、Aと救世主の観葉植物だけがいるのだ。


『た、助けてくれてありがとう…自分はA』


かの有名な植物は、Aに向かって尖った歯を見せて笑った。





"パックンフラワー参戦"

押し寄せる苦しみ→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
15人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

粗大ゴミ(プロフ) - 青い氷さん» コメントありがとうございます!こんな妄想の垂れ流しを褒めてくださるなんて嬉しいです…!拙い駄文ですがゆっくり投稿していきますので是非最後までお付き合い下さい(*^^*) (2022年8月13日 15時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
青い氷(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください!!応援してます! (2022年8月11日 21時) (レス) id: 76e242a4de (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:粗大ゴミ | 作成日時:2022年6月16日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。