そのときはやってきた ページ1
起床。やけに静かだ。昨日ゼルダの故郷から帰ってきてから、どれぐらい寝たんだっけ。むくりと起き上がる頭の中は酷く冴えていた。
『…まさか』
何となく察しているが嫌な予感というものは当たる。今起こっていること、これからどうなるか、全て手に取るように予測出来そう。とにかく普段着に着替えて身だしなみを整え、護身用である短剣と軽い銃を装備した。もちろんおまもりの腕輪も忘れずに。慎重に、扉を開ける。
(何も聞こえない…誰もいないみたいだ)
念の為音をなるべく立てずに移動。食堂、浴室、ステージ、広間。どこにも誰の影もなかった。こういうとき頼りになるのがマスターハンドなのだが、彼の部屋をあけると当人が倒れ込んでいたのだ。
『!マスター!!』
駆け寄って触ろうとした瞬間、彼が徐に起き上がった。びくりと体が強ばる。
(いつものマスターじゃ、ない?)
気づいた頃には時すでに遅し。その大きな手に体ごと握られたのだ。
『あっ!いぃぃづっ!』
みしみしと骨の音が聞こえてきて、必死に腰の銃を手探りで掴む。何でもいい当たれ!乾いた発砲音が合図だったかのように、この部屋の周りに気配が出現した。
(!こんなにいっぱい…勝てるはずない!)
マスハンから抜け出したAは部屋を飛び出し一目散に外へ走る。姿は見えないけれど、恐らくこの気配はファイターたち。明らかに邪な空気を、胸いっぱいに吸う気にはなれずにがむしゃらに玄関扉まで走り抜けた。バァンと大きい音と眩しい光がAを出迎え、立ちすくんでしまったがそれも束の間。後ろから誰かが追ってきていた。
『っガオガエン!ヨッシー!』
呼ばれた二人は反応もせずに追いかけてきていた。二人とも体に
邪悪な空気を纏わせて黄色い目をギラギラさせる。これではまるで…
(亜空の使者の再来…!)
あの影虫たちの悲劇を思い出して身震いをした。とにかく走らなくては。先の門をくぐり抜けたところで何かが後ろでぶつかり合う音がした。
『えっ』
咄嗟に振り返る。Aの上を、華麗に飛びながら逆光で見えないその姿は確かに二人をせき止めて戦い始める。あまりの出来事に腰を抜かして座り込んだ。
『誰…?』
二人が倒れて、フィギュアになる。静かになったその場には、Aと救世主の観葉植物だけがいるのだ。
『た、助けてくれてありがとう…自分はA』
かの有名な植物は、Aに向かって尖った歯を見せて笑った。
"パックンフラワー参戦"
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粗大ゴミ(プロフ) - 青い氷さん» コメントありがとうございます!こんな妄想の垂れ流しを褒めてくださるなんて嬉しいです…!拙い駄文ですがゆっくり投稿していきますので是非最後までお付き合い下さい(*^^*) (2022年8月13日 15時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
青い氷(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください!!応援してます! (2022年8月11日 21時) (レス) id: 76e242a4de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:粗大ゴミ | 作成日時:2022年6月16日 1時