☆ ページ34
可愛くて白いうさぎを見つける。どうやらこれが、彼らの見せたいものらしい。
『随分可愛らしいうさぎたちですね…でも、どうしてこれを？』
リンク「ああ、見せたいものはこれじゃなくって…」
そう言ってリンクはAの手を離さずに移動する。掴まれていたところが、手首から掌に変わってさり気なくリードされていた。なんだか恥ずかしい。
リンク「これ」
『ん？大きい、うさぎですか？』
先程の白いうさぎより大きい、石造りのうさぎだった。ロイが恥ずかしそうに頬を掻いて説明し始めた。
ロイ「このうさぎね、水をかけてお腹を擦ると安/産のおまじないになるんだって。今の君には必要ないかもだけど、いつかの為に…ね」
顔は純情少年のそれなのだが、言っていることが少々怖い。だが彼の言っていることは間違いではない。とりあえずうさぎに近付いて水をかけた。
『ここを撫でればいいのかな？』
リンク「そこでいいと思う」
冷たい石造りのうさぎを優しく撫でる。自分がいつかそうなるかは分からないけど、他の皆の為にと願掛けをした。暫く撫でているとリンクが腹部に手を回してきた。うさぎではなく、Aのだ。驚いてリンクの顔を窺うと、彼はほくそ笑んでいた。
リンク「…いつかのときの為に、ね」
ぞわり
ロイ「こらー!!!セクハラはやめぃ！」
バッシィと強めのビンタがリンクを襲う。吹っ飛ばされたリンクは空の星になってどこかへ行った。後ろからロイに抱きしめられる。
ロイ「あーもうほんと、君から目を離しちゃいけないね…僕はこんな可愛いAを放っておけないよ」
『ぁえ…なんか、すみません…』
抱きしめられたままゆらゆら揺れていると、遠くからドドドドと走る音が聞こえる。ロイは警戒してAを離したが、Aは何者かに抱きかかえられた。
『ぐえっ！？』
テリー「悪いな！Aは貰っていくぜ！」
ロイ「ああっ！？そんな勝手に…！」
Aを脇に抱えたテリーは、颯爽と走り去って行った。
〜〜〜〜〜〜〜
テリー「いきなり連れてきて悪かったな。俺は体が先に動いちまうからこうするしかなくて」
『うぅ…持ち上げるのは勘弁してください…』
しっかり目が回ったAは、たどり着いた場所を見渡す。暗くなった辺りは豪華なライトアップで煌びやかになっていた。
『ここって…！』
テリー「俺もさっき知った場所だから、すぐAに教えたくてな！」
そこは正しく清水寺の景色だった。
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粗大ゴミ(プロフ) - まどかさん» コメントありがとうございます！コンテンツに対しての熱と文才が落ちかけている作者ですが、そう言っていただけて嬉しいです！ (9月11日 23時) (
レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
まどか - 亜空間の小説から見てこんなに面白く楽しいって思ったのは初めて… (8月30日 4時) (レス) @page50 id: b6ef9522e9 (このIDを非表示/違反報告)
粗大ゴミ(プロフ) - わらび餅さん» ありがとうございます！掛け持ちな上に飽き性ですが、ちまちまやっていこいと思います(*^^) (2021年10月7日 22時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅 - 面白かったです。更新頑張ってください。 (2021年10月7日 17時) (レス) @page2 id: b4ce205d1c (このIDを非表示/違反報告)
粗大ゴミ(プロフ) - りなりんさん» りなりんさん！ありがとうございます！いい機会だったので即興で短編集を作成してしまいましたw楽しんでもらえて良かったです！こちらこそありがとうございました(*´∇｀) (2021年10月7日 12時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：粗大ゴミ | 作成日時：2021年10月7日 0時
