伝説 (夢主無し) ページ3
リンク「アンタってさ、本当に魔王なのか?」
ガノン「はぁ?」
30分前
今日は快晴。洗濯日和なこの日に、リンクはスマブラ館での洗濯係になっていた。眠い目をしぱしぱさせながら服や布団をこみにいく。SPECIAL、というタイトルが大乱闘につけられてからは、俺が呼ばれることになった。別に、俺としては前の勇者でも良かったのだが主催のマスターハンドが「新しい刺激がほしい!」と提案して黄昏の勇者たちは帰って行ったのだ。
リンク「前の勇者でもいいじゃないか…まぁ、厄災を倒してからはやることあんまなかったけど」
1人で大量の布に手をかけていく。自分の世界を救っても、やっているのは洗濯係。あまりに平和すぎて数ヶ月前のキーラ、ダーズ戦が嘘のようだった。
リンク「てか、もう1人はいつ来るんだよ」
それぞれの係は2、3人でやるはずだが肝心のもう1人が来ない。
リンク「誰だったっけなぁ〜」
ガノン「遅くなった」
リンク「ぎゃぁ!」
後ろから聞こえた声に驚き思わず洗濯物を掴む。それが滑らかなシーツだったため手に引っかからずにリンクはその場に倒れていった。
ガノン「子供に足止めを食らってな、自分たちで壊したおもちゃが直せないんだと」
そんなリンクに気をとめず、布たちを一纏めにしていくガノンドロフ。いつものごちゃごちゃした装備は外して彼の故郷特有の薄着になっていた。
リンク「アンタってさ、本当に魔王なのか?」
ガノン「はぁ?」
これが30分前の出来事。そして今に至る。早めに終わりそうだった仕事はリンクの質問で止まってしまった。
リンク「いや、やってることちゃんと善人だなって」
ガノン「…この世界を支配しても、結局やられてしまうだろう」
それに、と再びガノンドロフは手を早める。カゴは3つ目に到達していた。
ガノン「ここの者たちと手合わせするのは、認めたくないが随分愉快だ」
あ、笑った。にやりと企みを含んだ笑みだったが。それでも彼は人生で最高に楽しそうな顔をしていた。
リンク「…やっぱりアンタのことは、分からないな」
ガノン「それでいいさ。情がうつっても面倒なだけだ」
それは正義の味方をしているはずの俺でも思うこと。情というのは、面倒なのだ。記憶を無くしても世界を救う使命があった。人を通して、世界を守りたいと思った。
リンク「本当に、面倒だ」
住む世界が違っても、感覚は似ている。俺もガノンドロフも同じ類の生き物なのだ。せめてここでだけは、安らかに時を過ごしたい。
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粗大ゴミ(プロフ) - まどかさん» コメントありがとうございます!コンテンツに対しての熱と文才が落ちかけている作者ですが、そう言っていただけて嬉しいです! (9月11日 23時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
まどか - 亜空間の小説から見てこんなに面白く楽しいって思ったのは初めて… (8月30日 4時) (レス) @page50 id: b6ef9522e9 (このIDを非表示/違反報告)
粗大ゴミ(プロフ) - わらび餅さん» ありがとうございます!掛け持ちな上に飽き性ですが、ちまちまやっていこいと思います(*^^) (2021年10月7日 22時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅 - 面白かったです。更新頑張ってください。 (2021年10月7日 17時) (レス) @page2 id: b4ce205d1c (このIDを非表示/違反報告)
粗大ゴミ(プロフ) - りなりんさん» りなりんさん!ありがとうございます!いい機会だったので即興で短編集を作成してしまいましたw楽しんでもらえて良かったです!こちらこそありがとうございました(*´∇`) (2021年10月7日 12時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:粗大ゴミ | 作成日時:2021年10月7日 0時