気が早い(DLC第一弾) ページ20
テリー「A！俺と結婚してくれ!!」
突如として発された言葉に完全停止する。彼、テリー・ボガードは先日の新ファイター顔合わせで口説いてきた思い出がある。まずはお友達から、とやんわりその場を凌いだのだがそれからこの調子だ。今もAの前に膝まづいて花束を差し出している。
『で、ですから色々早いですって…』
テリー「むむ、すまない間違えたな！A！愛してるぞ！」
『ありがとうございます…』
熱烈なアタックにひよりながらも花束を受け取る。淡いピンクの秋桜が静かに揺れた。これをこの彼が選んでくれたと思うと少しばかり頬が緩んだ。
テリー「！ああやっぱり、Aの笑顔はcuteだな」
『そんな！自分なんて…』
蓮「取り込み中悪い。A、図書室へ案内して欲しい」
颯爽と現れた蓮によって、腰を抱かれてしまう。ムスッとした顔のテリーに挨拶をしてからやんわり彼の手を退けた。それから蓮を図書室に誘導する。
『雨宮さんは本が好きなんですか？』
蓮「まぁな。人並みには読む」
彼、雨宮蓮からも顔合わせで熱視線を感じていた。いや、熱視線は彼だけではなかった気がするが…。皆自分のことを聞いて、外からの人間だと物珍しくなっているのだろう。それはそれで話題になってくれるのでいい。
『着きましたよ、ここです』
蓮「ありがとう。…A」
『はい？』
蓮が名前を呼んでから暫時沈黙が流れた。なにか言おうとして迷っているようだ。
『…あの』
蓮「君を、君の心をいつか盗んでみせるからな。待っていてくれ」
左手をとられて薬指に唇を押し当てた。突然の柔らかい感触に心臓が跳ねる。彼は笑顔で手を振って図書室に入っていった。
『皆どうして自分なんか…』
振り返ると間近に誰かが立っていた。あまりにも近すぎて勢いで後ずさる。足がもつれて倒れてしまった。
『いっ！…ゆ、勇者さん？』
勇者「あ…ごめん」
勇者は顔合わせでは寡黙気味だった。緊張していたのか静かだった彼は、印象に強く残っていたのだ。勇者は手を差し伸べてくれた。
『ありがとうございます…勇者さんも図書室へ？』
勇者『いや…君を探していたんだ』
『なにか分からないことがあるんですか？』
勇者「そうじゃ、ないよ」
少し片言で話す彼はずっと目を逸らしっぱなしで、何も意図が伝わってこない。すると後ろから名前を呼ばれた。
バンジョー「おーいA！僕たちの乱闘記録してくれないか？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 13人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
粗大ゴミ(プロフ) - まどかさん» コメントありがとうございます！コンテンツに対しての熱と文才が落ちかけている作者ですが、そう言っていただけて嬉しいです！ (9月11日 23時) (
レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
まどか - 亜空間の小説から見てこんなに面白く楽しいって思ったのは初めて… (8月30日 4時) (レス) @page50 id: b6ef9522e9 (このIDを非表示/違反報告)
粗大ゴミ(プロフ) - わらび餅さん» ありがとうございます！掛け持ちな上に飽き性ですが、ちまちまやっていこいと思います(*^^) (2021年10月7日 22時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅 - 面白かったです。更新頑張ってください。 (2021年10月7日 17時) (レス) @page2 id: b4ce205d1c (このIDを非表示/違反報告)
粗大ゴミ(プロフ) - りなりんさん» りなりんさん！ありがとうございます！いい機会だったので即興で短編集を作成してしまいましたw楽しんでもらえて良かったです！こちらこそありがとうございました(*´∇｀) (2021年10月7日 12時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：粗大ゴミ | 作成日時：2021年10月7日 0時
