伝達(ロックマン) ページ15
ちょいちょいと控えめに背中をつつかれた。
『んん？ああ！ロックマンさん！どうしました？』
ロックマンはAが振り返るとおろおろしだした。喋らない彼とはなにも関わったことがないので、何を伝えようとしているのか分からない。Aも困り果てて頭をかく。すると彼の方から手を引かれ、待機室へ赴いた。
『記録、ですか？』
その通りと言うように頷いて、ロックマンがこめかみに指を当てる。その数秒後にパックマンが現れた。どうやら対戦相手を連れてきたみたいだ。テレパシーかな？
『じゃあお二人の乱闘記録をとらせていただきますね！よろしくお願いします！』
ロックマンは頷き、パックマンはウインクをして親指を立てる。彼らはそれぞれステージに転移されAも記録足場に移った。
『どちらも頑張ってください！』
ロックマンはちらりとこちらを一瞥すると、カウントダウンに合わせて動き出した。パックマンがエサを投げてアタックする。あのエサはなんなんだろう。後で聞いてみよう。記録用紙に視線を戻すと大きな電撃音が聞こえた。慌てて試合に目を向ける。
『わあっ！ロックマンさんの電撃が！』
その後もAが闘いに目を向けていないと、大きい音がした。全てロックマンが出している音のようで、見ていて欲しいのだと直感的に思った。やがてパックマンは撃墜され、勝敗がついた。
『お疲れ様です！お二人共激しい闘いでしたね…！』
二人に乱闘後のドリンクを手渡し、記録用紙を整理する。なるほど、ロックマンさんは飛び道具の方が得意そうですね。このデータを見るに。パックマンは次の乱闘に向かい、二人きりになった待機室。パックマンも言葉を発さないので、ほとんど自分の独り言のようになってしまって今更恥ずかしくなった。
『な、なんか自分ばっかりうるさくてすみません！もうお夕飯の時間ですよね！行きましょうかっ…！』
Aは気を紛らわそうとロックマンを急かし、置いてあったダンボールに脛をぶつけた。そのまま前に倒れてロックマンの青い頭に額が衝突した。
『い"っ!!…つぅ…だ、大丈夫でした！？』
痛みでぼやけた視界が段々と覚醒する。見えた光景は、感情があまり出ないロックマンが顔を真っ赤に染め上げAを見つめているところだった。
『なっ！ごめんなさい!!』
すぐ離れようと体を持ち上げると、背中に手を回されぎゅうと抱きしめられる。自分の鼓動ばかりがうるさく鳴り響いていた。
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粗大ゴミ(プロフ) - まどかさん» コメントありがとうございます！コンテンツに対しての熱と文才が落ちかけている作者ですが、そう言っていただけて嬉しいです！ (9月11日 23時) (
レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
まどか - 亜空間の小説から見てこんなに面白く楽しいって思ったのは初めて… (8月30日 4時) (レス) @page50 id: b6ef9522e9 (このIDを非表示/違反報告)
粗大ゴミ(プロフ) - わらび餅さん» ありがとうございます！掛け持ちな上に飽き性ですが、ちまちまやっていこいと思います(*^^) (2021年10月7日 22時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅 - 面白かったです。更新頑張ってください。 (2021年10月7日 17時) (レス) @page2 id: b4ce205d1c (このIDを非表示/違反報告)
粗大ゴミ(プロフ) - りなりんさん» りなりんさん！ありがとうございます！いい機会だったので即興で短編集を作成してしまいましたw楽しんでもらえて良かったです！こちらこそありがとうございました(*´∇｀) (2021年10月7日 12時) (レス) id: fd182a523e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：粗大ゴミ | 作成日時：2021年10月7日 0時
