コー ページ40
男「ん?!」
突然男は仮面で見えない目を擦る動作をし、リンクの腰に目をやった。
男「お前が腰に付けているやつ…それは…もしかして…シーカーストーンか?シーカーストーンということは…!
お前!俺たちが探していたリンクって奴か!」
というかイーガ団はリンクの顔も知らないで探してるのか。内心ズッコケながらも男を見る。リンクを指さして心底驚いているようだ。が次の瞬間喜びを顕にした。
男「うおーーラッキー!!探してたやつが自ら俺様のアジトに迷い込むとはなぁ!」
リンク「まぁ兜取り返しに来ただけだけど」
彼は冷たく言い放つ。
男「おっと失礼、俺様のイカした名を教えてやろう!イーガ団の…」
『てい』
前置きが長すぎて思わず槍で腹を一突きしてしまった。
男「ぐはっ!?何をする!!俺様はイーガ団の総長、コー」
リンク「おりゃ」
男「ぶはあっ!」
リンクも彼がいい切る前に巨岩砕きで腹を殴った。巨岩砕きはアカンぞリンク。それは痛い。
『名前なんかいいから早く兜出せや…』
ジリジリと近づく私たちにまた指を指す男。こらこら人に指は刺しちゃいけませんって習わなかったのか?
男「し、仕方ない!取っておきの技を出してやろう!!!!!」
むむむむむ…ほっ!と男が力んで出した鉄球はとても大きな物だった。棘も着いていたがそれだけだ。私もこの旅で随分強くなったなぁ。なんにも動じねぇや。
男「驚いたかっ!これが代々伝わる技だ…大きすぎてお前たちが見えなくなってしまった!わっはっは!」
確かに大きな鉄球は私たちと男の間にあり、お互いが見えない。男は楽しそうに高笑いしている。
男「この奥義はな…一族の長のみが使える…究極の」
そこまで言って、鉄球が転がり始める。勿論、男の方にだ。それに気づき慌てふためく男は鉄球と共に穴へ落ちていった。
男「卑怯者〜!覚えてろ〜!若い衆〜あとは頼んだぞ〜!それと俺様の名前はコー」
ずしんという音がして声は途切れてしまった。結局男の名前は分からずじまいで終わった。
『え、大丈夫かな?流石に死んで欲しくない…』
リンク「平気だろ。アイツ忍術みたいなの使えるし」
ポンッと目の前に現れた小さな箱。ボスを倒した報酬といったところだろうか。いやあれは自滅なのでは。
リンク「お!雷鳴の兜だ!」
『やった!これで帰れ…はっ!』
リンク「なんだ?」
私は思い出した。最初に出会った、捕えられていたバレッタを。
『…バレッタを助けたいな〜なんて…』
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作者名:粗大ゴミ | 作成日時:2021年9月22日 3時