バナナ ページ38
『貴女たちゲルド族の長、ルージュから兜が盗まれたと聞いてやって来たんです』
ゲルド族「そうだったの…でも、奴らに見つかったら仲間を呼ばれていっかんの終わりよ…アイツら、警備してるかバナナ食べてるか位で全然隙をみせないのよね…」
バナナか…。ふと、隣にバナナが二房並べられていることに気づく。
バレッタ「ワタシはバレッタ。とにかくここは自分でなんとかするから、アナタも早く逃げて!」
『え、でも…』
バレッタ「…」
『…絶対助けますからね』
それきりバレッタは話さなくなった。もう関わるなということだろう。さて、これからどうするか。とりあえず隣のバナナは貰っていこう。
『まずはあの幹部が邪魔だよなぁ…』
そこでAはパラセールの存在を思い出し、上から滑空して行くことにした。
(うわっ!バレそ…いやバレないんかい)
なんとも雑な警備でちょっと心配だ。ともかく次はあの入口の門番だな…。
(んお?あれは…バナナ?)
上を見ると、なんとご都合よく木の板の上にバナナが乗っているではないか。ありがたく使わせていただこう。弓矢を構える。
(…ふっ!)
命中。確実にルッタ戦から弓矢の技術が上がってきている。まさかこの世界で弓矢を習うなんて思わなかっただろう。落ちたバナナに門番が気づき、ウキウキで近づく。
(よし!今だ!)
早足で入口へ入る。心臓はバクバクとうるさかった。バレずに通れた第一関門。その先の梯子を登り、真っ直ぐ行った先には大量のバナナがあった。
『うっわ!これアイツら隠してるつもりなのか…?まあいいや、貰っとこう』
全ていただいた(
『さて次は…ひ〜いっぱいいますなぁ〜』
更に緊張が増した空気に、汗が滲む。深呼吸で落ち着かせ、怯む足で手前の高台へ降りた。
(ここもバナナか。ほいっ!)
命中。幹部の目が遠のいた隙に梯子を伝う。そこから真っ直ぐ行けば次の道への門番がまた塞いでいた。
(しょうがない、またバナナを…)
弓矢構え、射る。だが外れた。
(!?まずいっ)
幹部「む?…気のせいか…」
(馬鹿で良かった〜!!)
だが同じ失敗は許されない。再び矢をバナナに射る。今度は外さなかった。ウキウキ幹部を通り過ぎて道へ侵入し、行き止まりへ着いた。
『なんかここまで来ちゃったけど、もう進めないのかな』
今更リンクがいないことに違和感を感じていた。少し探索しよう、と歩き出すと突然後ろから羽交い締めにされた。
『ほっ!?』
幹部「やはりいたか」
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作者名:粗大ゴミ | 作成日時:2021年9月22日 3時