癒し ページ31
全身にあたる湯気。上気する頬。濡れていく髪。
『…ふっあぁ〜!気持ち〜!』
久しぶりに浸かるお湯にAは大歓喜していた。この世界に来てから風呂に入っていないことも思い出し、顔をだすためにもゴロンシティに向かったのだ。ユン坊は真っ先にAたちに気づき、最高級のお湯が湧くところを教えてくれた。
『ユン坊ありがと〜もう最高だよ!ふふっ!』
ブルドーの元に行ってしまったユン坊に聞こえない感謝を伝え、お湯に伸び伸びと浸かる。これまでの汗や泥埃がみるみる落ちていく感覚は、疲れを確実に癒していった。
リンク「なぁA、ユン坊からシャンプーとコンディショナーもらったんだけど使うか?」
『ひゃ!?』
リンク「あっ!?」
突然、リンクが岩場から覗いてきた。私は慌てて前を隠し、お湯に深く浸かる。
『え!?なんで!?私裸だよ!?なんで覗いた!?』
リンク「ごっごめん!まさかもう入ってると思わなくて…ところで、使う?」
『使うから!今行くから!』
リンクが再びボトルを掲げるので仕方なく取りに行った。絶対に置いてもらった方がいいのだが、あそこまで行くとお湯に戻ったリンクの裸が全部見えかねない。まぁゲームの最初で既にパンイチ姿は見ているのだが。
『あーでもお互い様か。私もリンクのパンイチ見てるし』
リンク「は!?このすけべ!いつ見たんだよ!」
『ゲーム画面』
リンク「そりゃどうしようもないな(」
『とにかく!もうもらったから戻って!恥ずかしい!』
リンク「はいはい」
リンクが振り向いて戻ろうとするので、私も振り向きお湯に向かう、が、あろうことかリンクが後ろに転んだ。そのまま私も転び、派手に体を打った。
『いった!!!!』
リンク「むぐ…」
『…ん?』
受身を取ろうとうつ伏せになったリンクの顔は、Aの太ももの間に挟まれていた。カアァと熱が集まる。しかし今叫んでも周りに迷惑をかけるだけなので、二人とも黙ってお湯に戻って行った。
〜〜〜〜〜〜〜
散々なお風呂タイムが終わり、二人はゲルド砂漠へ向かっていた。灼熱の風が猛威を振るう。
リンク「流石に馬は連れてこられないからな、かといって歩きも辛いが…はぁ…はぁ」
『ねぇ…暑い…』
リンク「だな…一旦あそこまで行くぞ」
途中にあるオアシスまでなんとか歩き、水をもらった。
『ぷはっ!か〜っ美味い!』
リンク「おっさんか」
『まだそんな年じゃないです〜ていうか女です〜』
そんな休憩も束の間、街へ急いだ。
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作者名:粗大ゴミ | 作成日時:2021年9月22日 3時