表情 ページ22
装置を破壊されたルッタは力なく鼻を下ろした。そのため、天に注がれていた水が無くなり空は快晴となった。
シド「見ろ！リンク！A！ルッタの放水が弱くなったゾ！君たちの目的は、中に入ることだろう？」
『ありがとうシド！』
シド「こちらこそ礼を言う！側まで寄せるから、上手くやってきてくれ！」
シドとタヨは私たちを乗せてゆっくりルッタに近づく。リンクは未だ不満そうな顔をしていた。
シド「ありがとう二人とも。おかげで神獣の放水は止まったゾッ。けど、君たちがやらなきゃいけないことは、ここからが本番なんだろう？」
リンク「ああ。ここまでありがとうな、シド」
リンクとAはルッタの足場へ飛び移る。私はタヨさんと握手をした。
シド「幸運を祈っているゾッ。ゾーラの里で、また会おう」
リンク「もちろんだ」
ずずんとルッタが動いたと思うと、私たちを乗せたまま浮上した。シドとタヨが遠ざかっていく。Aは二人に全力で手を振っていた。
『本当にありがとうー！絶対！神獣を戻してみせるからー！』
シドはいつものガッツポーズをしてくれた。さて、とリンクを振り向くとかなり近いところにいたようで、額同士がぶつかりそうになった。
『わっ』
リンク「…」
それでも黙ったままのリンクは初めてついて行くと言った時のような、寡黙な雰囲気を纏っていた。すると突然Aの腕を掴み、神獣内へ連れ込んだ。
『え？え？』
リンク「…お前ばっか美味しいとこ持ってくの、ずるいだろ」
あーなるほど。初心者の私が色々やり遂げちゃったからご立腹なのか。
『ごめんって。あ、そういえばなんで貯水湖で倒れてたの？』
リンク「…お前が心配だったんだよ！急に一人で行くとか言うから！」
少し乱暴に言うリンクは、駄々をこねる子供のように見えてちょっと可愛いと思った。
リンク「な、なんだよ。なにが面白いの？」
『んくく…リンクって可愛いね、くくっ』
リンク「やーめーろ！俺は可愛くなんかないって！」
最近のリンクは、よく表情を表してくれる。他の人には無頓着だが私には色んな顔を見せてくれている、と思う。自惚れていなければ事実だ。
『ほーらほら！神獣内に入っちゃったけどワープ地点として登録するんでしょ？』
リンク「そうだった」
リンクはシーカーストーンをかざしに行く。すると、可愛らしい女の子の声が聞こえた。
？「無事だったんだね…」
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作者名：粗大ゴミ | 作成日時：2021年9月22日 3時
