リーバルトルネード ページ14
もしかしてゾーラ族だろうか?声をかけられた先にいたのは、川から顔を出している魚のような見た目の人物だった。私は初めてのゾーラ族に驚いて声も出ないが、リンクは慣れているようで無表情だった。
ゾーラ族「あの塔で我らが王子、シド王子がリンク様をお探しになられているゾラ!」
リンク「シド…?」
『とにかく行こうよ!ありがとうございます!ゾーラ族さん!』
しかしその塔にたどり着くためには、魔物たちが巣食う水上のアジトを通らなければならなかった。
『うわ、どうしよ』
リンク「俺の後ろについてきて。大半は片付けてあげるから、もし魔物が君を狙ったら槍で防衛してくれ。」
そう言うとリンクは猛ダッシュで魔物のアジトに駆け込んで行った。
『ちょっえ!?速いって!』
なんとかついて行くものの、リンクの激しいアクションも避けながら進まなければならないのでそろそろ全身の筋肉痛を覚悟したAであった。
リンク「はぁ…はぁ…よし」
『「よし」じゃないって!めっちゃ疲れたんだが!?』
リンク「元気そうだな。行くぞ」
『もぉおお』
抗議しても無駄なようだ。これからまたリンクのこんなテンポについていかなければ。それも自業自得だ。自分からついて行きたいと言ったのだから。息を整えたリンクが1度ジャンプしてからしゃがむ。あ、これは、
『あ!待って!どこ掴めばいい!?』
リンク「え、ついてくるのか!?」
言ったのと同時に飛んでしまったリンクの足を掴み、間一髪でAも飛ぶことが出来た。
『うわわ!これが、リーバルトルネード…』
リンク「くっ捕まった…」
『地に足がつかないことなんてこの世界に来てから経験しとる…』
全力疾走からのシーカータワーで大分鍛えられたんじゃないだろうか。鍛えられていなくてもこれはいい経験だ。登りきった頃には汗だくになっていた。
『あれ…そういえば私たち、着替えてなくない?』
リンク「あーどうりで暑いと思った」
その場で防火服を脱ぎ始めるものだから、咄嗟に柱に隠れた。すると下を見下ろしているゾーラ族を発見したのだ。
『あの…』
ゾーラ族「うぉあっ!ビックリした!」
そんなに驚かなくてもいいのでは…。少し仰け反ったゾーラ族は姿勢を戻して私と話してくれた。
ノール「オホンッ!失礼。小生はゾーラ族のノールという者だ。貴殿は旅の者とお見受けしたがなぜこんなところに…?」
『それはこちらのセリフですよ。ゾーラ族が何故?』
55人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:粗大ゴミ | 作成日時:2021年9月22日 3時