一段落 ページ12
リンクが先程のダルケルと同じように両の拳を力強く合わせた。途端彼の体がユン坊と同じようにオレンジ色に包まれた。
『!すごい!リンクもう使いこなせるの!?』
リンク「…ああ、なんとなくでやったら」
流石だ…その才能を羨むぞ。
『私にも出来るかな…ふんっ!』
同じく両手を合わせてみる、が一向にバリアが張られる気配はない。これは修行になりそうだ。
リンク「まぁなんとかなるだろ。これからも旅するんだし」
励ましてくれているのだろうが目が全く笑っていない。さっきのゲラはどこへ行った。
ダルケル「Aに与えた力はほんの少しだから、本当に大事なときにしか出せないかもな…すまねぇ」
『いえ!大丈夫です!与えてくださっただけで嬉しいですから!』
明らかにしょんぼりしてしまったダルケルを励ました。私自体がこの世界的にイレギュラーなのだから仕方ないことではある。
ダルケル「…忘れるなよ。これからは俺の護りの力が共にあるってことをな!」
リンク「ああ」
『はい!』
ダルケル「…じゃあ行きな」
寂しそうな顔になるダルケル。結構表情が豊かなんだな。これでお別れだと思うと私も寂しくなってきた。
ダルケル「姫さんを頼んだぜ…」
ダルケルはAとリンクに自分の思いを託し、二人は光の粒子になって消えていった。
〜〜〜〜〜〜〜
突然体の感覚が戻った。Aとリンクは既に地面に足を着けていて、気づけばゴロンシティの前だった。初めての感覚にAは体をぺたぺた触った。
リンク「…村長に報告行くぞ」
『え?あ、うん』
先を歩くリンクに慌てて着いていく。着慣れた防火服の音が二人分聞こえる。本来1人である旅に、私というもう1人の存在がついている。それがなんだかとても嬉しくて、あの時勇気を出して話しかけて良かったと過去の自分を褒めるのだ。
ブルドー「オォ!アンタら!ユン坊から聞いてるぜェ!アンタらすげぇなあ!ルーダニアを黙らせたんだって?大したもんだぜ!」
そう言ってブルドーは自分の家にあるというお宝をくれた。なんでも、ダルケルが使っていたものらしい。
『宝箱…これかな?』
リンク「開けよう」
リンクが箱を開けると、岩砕きよりも強そうな武器が入っていた。
ブルドー「そりゃあ巨岩砕きだァ!ダルケル様だと思って使ってくれ!」
リンク「こんなデカいの振れるかな…ふんっ」
『わああっ!危ないよ!』
試し振りした武器は家の中の物を数個割っていった。
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作者名:粗大ゴミ | 作成日時:2021年9月22日 3時