女の子の日 ページ3
腹の奥が痛む。先程から続く吐き気は私の意識を奪っていった。最後の力を振り絞って伸ばした手は、目の前の誰かを掴んだ。
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『…んん…?』
「あら、起きたわね」
真っ赤な唇と真っ赤な瞳。何よりとても目を引く赤髪がそこにいた。
『マリアさん…私』
「いいのよまだ寝てなさい」
易々とベッドに戻されてしまった。確かにまだ眠いけれど。気付くと腹の痛みも吐き気もすっかり収まり眠気だけが残っていたのだ。
「生理痛、でしょ?」
『え?なんで知って…』
「voidollに見てもらったわ。分析したら、生理ってことがわかってね。」
それからマリアさんにその件についてのお話をしてもらった。この世界に来てから初めての生理のときは、voidollに言って生理が来ないようにしてもらっていること。お陰で女性陣たちは生理痛をここにきてからの2年程体感していないらしい。
『成る程…それは便利ですね』
「でしよ?あああと、倒れた貴女のことを教えてくれたのはソーンなのよ。介抱はアダムがしてくれたわ。」
『え?』
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「どなたかいませんか!!?Aさんが、Aさんが!!」
「どうしたのよ!」
「あ、マリアさん!あの、Aさんが廊下で急に倒れてしまって…」
「顔色も悪いわね…男を呼んで頂戴。介抱してもらうわ」
「は、はい!」
_____
すっかり良くなった調子と顔色で部屋を出たAはばったりと出くわした。
「あ…Aか。その、調子はどうだ?」
アダムに。
『え?あ〜うん。大丈夫』
「そうか。」
それだけ言って去ろうとするアダムが、私の耳元で呟いた。
「…柔らかかったな…(ボソッ」
『!?!?』
※二の腕の話です。
その後、話を聞いたソーンにリオートベージされるアダムが目撃された。
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作者名:粗大ゴミ | 作成日時:2019年6月2日 0時