添い寝 ページ1
めでたくお付き合いを始めたAとソーン。恋人同士といっても、バトルがない日はどちらかの部屋で過ごしたり一緒にお菓子作りをしたり、抱擁より先をしたことが無い清い交際を続けていた。
「むむ…」
そんな関係に悩む少年ソーン=ユーリエフは誰も居ないリビングの掃除をしていた。新しい花を添えた花瓶を見つめて溜息を吐く。そのままソファにドサッと座ると体の力を抜いて脱力感を感じた。
「そろそろAさんと…色んな事したいな…ハッ!駄目だ駄目だ!そんなことあの人に考えちゃ!…でも…」
「よぉ、お悩みのようだな少年?」
アリーナ帰りの13が話しかけてきた。ソーンはビクリと肩を揺らしてソファの後ろに隠れる。
「さ、13さん…いつからそこに、」
「[そろそろAさんと色んな事したいな…]の辺りからか?」
「さ、最初からじゃないですか!!」
「まぁまぁそこは気にせず…とりあえず、一緒に寝てみたらどうだ?あ、寝るってそういう意味じゃなくて、添い寝ってことだぞ?」
思春期(?)のソーンにとっては刺激が強かったようで、一気に顔を赤に染めながらソファにすっぽり隠れてしまった。
「添い寝って言ったのになぁ〜…ん?やべっ!ルチアーノのおっさんが来た!」
すたこらさっさと13は逃げていった。
「そ、添い寝…?」
未だに13の言葉が抜けないソーンはとりあえずアリーナ帰りであろうルチアーノに珈琲を淹れてあげようとキッチンへ向かった。
_____
コンコン
心地よいノックの音が聞こえて、武器を観察していたAは扉の方を見た。
『?は〜い』
ガチャリと扉を開けると既に寝間着姿のソーンが枕を持ってもじもじとそこに佇んでいた。
『あれ?ソーン、くん?』
「ひっ!あ、あの…こ、今夜、一緒に寝てくれませんか?僕、何だか今日は眠れなくて…」
どこか落ち着かないソーンくんを不思議に思いながらも部屋へ招く。
『私もそろそろ寝ようと思っていたので丁度良かったです!』
先にどうぞとベッドへ施されて小さくお邪魔しますと言うとAのベッドへ潜り込むソーン。その後にAが入りこみ、手元のリモコンで電気を消した。
『おやすみなさい』
「お、おやすみなさい…です…」
すぐ眠りについてしまったAを見てやっぱり異性として見られていないのか、とがっかりする。すると隣から寝言が。
『…そ、んくん…好きです』
よく眠れなかったのは言うまでも無い。
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作者名:粗大ゴミ | 作成日時:2019年6月2日 0時