光闇3 ページ3
「子供じゃないんだから起きれるようにしなさいよ」
「へーい」
面倒くさく快斗は返事をし、Aを席に着かせた。
「「いただきます」」
今日の朝ご飯は、食パン、蜜柑、牛乳だった。
Aは何時もより食パンの色が薄いなと思いながら、小さくかぶりつく。
「どう?今日はちょっと短く焼いたの。Aちゃんが何時も固そうに食べてたから」
「うん、おいしい。ありがとう青子姉」
「ふふ、どういたしまして」
少し固めで大人風な今までの食パンと違って、今日の食パンは柔らかく仕上げられており、子供のAにとってとても食べやすかった。
「うーんでもちょっとモチモチしすぎじゃないか?俺は前の方が好きだな」
もぐもぐと美味しそうに食べるAとは裏腹に、快斗は憮然としていた。
「だったら自分で焼けば?」
青子はまだ快斗に倦怠していたようだった。
「へ、へーい。おっかないおっかない」
最後の言葉は呟いたつもりだったが、青子には筒抜けだったようだ。
「みかんはだいだいいろー」
二人の騒ぎに目も耳も向けず、Aは口を開いた。
「おー、当たりだ」
快斗はまたAの頭を撫でた。
「そういえば、今日から新学期ね。Aちゃん、どうするの?」
「えっ……?明日じゃねーの?」
「今日からよ。でも千影さんまだ入学届出してないとか言ってなかった?」
「……あ」
春休み中にランドセルや全ての文房具を揃えていたとしても、入学届を提出していなければ、学校には通えない。
「俺、ちょっと母さんに聞いてくる!」
快斗は食パンと牛乳を流し込み、蜜柑を置いて自分の家に戻ってしまった。
「快斗兄行っちゃった」
「そうね、ほんと落ち着きがないんだから」
「……今千影さんがいるラスベガスって夜中じゃない。起きてるのかな」
「ぎゅうにゅうはしろー」
Aも心配をしているのかと思ったが、違うようだった。
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作者名:りんごジャム x他1人 | 作成日時:2019年5月10日 0時