茶、黒 ページ12
emside
彼らはこの世を去った。
戦争はフィナーレを告げる。
自分のすぐ隣にいる総統さん。
相手が彼の首を取れば、
戦争は終止符を打つ。
em「今回は、随分と短い戦争でしたね。」
「…あぁ、そうだな。それに、失うモノも多かった。」
初めて見る。
こんなにも自信を無くしている彼を。
まるで、戦争になんて興味が無いとでも言うような。
それは、世界が反転したように。
こんなことは初めてだった。
いつもは幹部全員で、
勝利の旗を挙げ、
一日中宴を交わして、
だけど、そんな仲間はもういない。
em「…降伏、します？」
「…何を言っているんだ？エーミール。
我らは勝利の旗は挙げども、
決して敗北の意は持たぬ。
…さて、エーミール。
敵に首を取られるか、
自ら首を切るか、
…どちらを選ぶ？」
私は腰から銃を抜き取る。
em「決まっているでしょう？ええ、
お互いに撃ち合いましょうよ。」
演奏は、観客が止めるものでは無い。
演奏者自ら、曲に終止符を打つものでしょう。
目の前にいる彼が指揮者。
私は、演奏者です。
em「素晴らしい指揮でしたよ。」
「…ありがとう。じゃあ、またな。」
パンっ
2つの音は、綺麗に重なった。
拍手喝采。
＊
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ゆいか - 初コメです。私の語彙力じゃうまく表せませんが、今までで見た小説の中で一番取れるレベルでとても良い作品でした。特に，茶、黒 桃 緑 白の終わり方がとても好きです。とても素晴らしい作品、ありがとうございました。他の作品も見てみますね。 (2022年2月5日 10時) (
レス) id: e48a97a4d2 (このIDを非表示/違反報告)
紗柿(プロフ) - レムさん» コメントありがとうございます。続編はただいま検討中でございますので少々お待ちを… (2019年10月20日 22時) (レス) id: 1a7abc7277 (このIDを非表示/違反報告)
レム - 素敵ですね、本当に好きです。 できたら続編がみてみたいです。 (2019年10月20日 21時) (レス) id: f44f95b2b9 (このIDを非表示/違反報告)
紗柿(プロフ) - 雨の止まない街さん» コメントありがとうございます。きっと、誰が残ったとしても絶望する人はいない、そう思います。彼等は前へ前へと進んで行くイメージがあります。来世でもきっと彼ららしくいることでしょう。 (2019年10月19日 17時) (レス) id: 1a7abc7277 (このIDを非表示/違反報告)
雨の止まない街(プロフ) - 初コメ失礼します。読んでいて初っ端から胸が苦しかったです。絶望するのではなく自分が出来る事を探すniさんを尊敬します。来世では笑顔で溢れる事を祈ります。 (2019年10月19日 16時) (レス) id: 73a1ddffb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：榊架恋 | 作成日時：2018年10月21日 19時
