一段落 ページ9
ハイアンドローセカンドシーズンの撮影が約三ヶ月に渡って行われた今日。
ス「アゲハ役坂本Aさん、クランクアップです」
『ありがとうございました』
岩田「おめでとう、お疲れ様」
剛典くんから花束を貰った私は、花束を抱えて皆さんと向き合う。
『まずセカンドシーズン、お疲れ様でした。』
この後すぐ映画の撮影が始まるので、終わりっては感じていない。
その気持ちを述べ、ある程度纏まると、もう一度頭を下げた。
『お疲れ様でした！
また次でもよろしくお願いします！』
拍手に見送られながら、私は準備されている車に乗った。
マネ「この後ソロツアーの練習と新曲の打ち合わせあるから」
『はーい』
カバンから飲み物を取って息を吐き出す。
ついでにメイク落としシートを取って、メイクを落とす。
マネの運転でスタジオに戻った私。
マネ「今日忙しいからね」
『38連勤目ですが何か』
マネ「毎日忙しいか！」
この人は容赦しない人だ。
おかげで私のスケジュール帳に空白が無い。
『休みが欲しい』
マネ「ハイアンドロー終わるまで無理かもね〜」
『やっぱ殺しにかかってる』
楽屋に入って、EXPGの子達と練習が始まる。
練習が終わって、新曲の打ち合わせが始まる。
『前回はめちゃくちゃロックな感じで攻めたんで、今回はピアノ系でもいいかなって思ってて』
「うん」
『作詞作曲と任せてもらってるんですけど、その辺どう思います？』
「あれじゃない？
Aちゃんがさ、どんな気持ちを乗せたいかだよね」
『んー……』
「誰かを思って書くのもありじゃない？
年頃なんだから好きな人とか、家族とかさ」
『……ですね』
好きな人、家族。
その言葉が忘れられなかった私は、帰宅後、すぐに作業部屋に引きこもる。
『んん……こんな感じ、かな』
一段落して時計を見ると、深夜二時だった。
『はい終わった……』
スマホを見ると剛典くんからメッセージ入ってて。
向こうもレッスンやら何やらでバタついてるらしい。
『お互い、体に気をつけて……っと』
そうしてメッセージを送った私。
シャワーを軽く浴びて、ゼリーを食べると、すぐに眠りについた。
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作者名：雪乃 | 作成日時：2023年6月22日 19時
