帰るか ページ48
二人とも仕事が終わると、私達は並んでソファーに座った。
「お疲れA」
『剛典も、お疲れ様』
ちなみに事務所の自販機のところです。
ここで合流して、一緒に帰ろうかって話してました。
『リハだったの？』
「うん、スケジュールの都合で俺らが最後だった」
『そうなんだ、お疲れ様』
「Aも？
シャワー浴びたの？」
『うん、新曲の練習で』
「頑張るな〜」
そう言って彼は抱きついてきた。
私も抱きしめ返すと、その姿を近くの自販機で山下さんに奢られてる登坂さんに撮られた。
登坂「撮ったよ岩ちゃん」
岩田「消してください」
山下「イチャイチャしやがって」
そう言って、山下さんは私達にペットボトルを投げてきた。
どっちもキャッチしました。反射神経良いので。
山下「先輩からの奢りや」
登坂「お寿司がいいな先輩」
岩田「焼肉がいいな先輩」
山下「どつくぞお前ら」
何度も見てきたその光景に、私は笑う。
その間でも、彼は私の手を放さないで、握りしめたままである。
少し話し込んだかと思うと、彼は私の肩におでこをグリグリしてきた。
『え、急に？
普通に骨に当たって痛いのよ』
登坂「あ、案外塩なのね」
『これのどこが塩なんですか』
私はパーカーの袖で口を覆って笑う。
剛典はグリグリを止めてくれたけど、私の肩に顎を乗せてる。
岩田「わりかし俺らこんなっすよ、ね」
『そうね、うん』
登坂「なんか、もっと「も〜やめてよ〜(裏声)」みたいな感じなのかと思ってた」
岩田「Aが？気色悪いっすね」
『殴るぞまじ！』
山下「行ったれ行ったれ！！」
四人で爆笑してると、NAOTOさんたちがやって来た。
直人「あれ、さかもっちゃん居る」
『お疲れ様です』
直己「お疲れ」
岩田「お疲れ様です」
あっちこっちで挨拶が飛び交うと、剛典が耳打ちしてきた。
岩田「俺ら帰るか」
『え、逆にこの雰囲気で帰るの？』
岩田「だからだよ。
俺家帰って、飯食いたいもん、お腹空いた」
『あーはいはい、帰ろっか。
ご飯食べに行かなくていい？』
岩田「良いよ、いつでも食べれるし」
『それはこっちもだよ』
岩田「ダメ？」
『分かったって』
私は鞄を持つと、剛典と一緒に立ち上がった。
岩田「それじゃ、お先に失礼しま〜す」
直人「うん、お疲れ〜！」
直己「お疲れ様、気を付けてね」
『はーい！
お疲れ様です』
私達は話が尽きることなく、家路に着いた。
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作者名：雪乃 | 作成日時：2023年6月22日 19時
