気にしなくていい ページ34
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Takanori.I
飲み会の面々が次々と帰っていく。
今日早かった人、明日早い人、理由は様々だ。
『私帰るね、まだ皆と飲んでていいから』
岩田「俺も帰る」
『え、でも……』
敬浩「岩ちゃーん帰りなー」
AKIRA「帰れ帰れ〜」
登坂「新婚さんおかえりなさ〜い」
今市「臣、それは違うのよ」
ELLY「ニュアンスが、ニュアンスがね」
臣さんの叫び声に一部大爆笑が起きた。
けど、それが終わると、近くにいた直人さんと直己さんが笑った。
直人「さかもっちゃん、女の子一人で帰すのも心配だから。
彼氏と一緒に帰りな」
直己「どうせ身内しか居ないんだから、ね？」
『……分かりました』
岩田「ありがとうございます」
二人の言葉に俺らは急いで帰る準備をして抜けた。
その瞬間、Aは壁に凭れた。
『ふぅ……』
「緊張した？」
『めちゃくちゃした。
発表後だったから余計に……』
「少し向こうで休んでからにしよ」
『でも、酔いは？』
「とっくに覚めてるよ。
Aが来てからは炭酸水しか飲んでなかったし」
『そうなんだ。
じゃあ、お言葉に甘えて……』
俺達は仲良く手を繋いでから自動販売機のコーナーに着いた。
そこで水を二本買って、一本はAに渡す。
『……否定されるとか、思ってない』
「ん」
『けど、変に肩に力入っちゃって』
「そっか」
そう言って俺に凭れかかったA。
そんなAの頭を撫でる。
「Aはさ、同じ事務所で、ソロでも結構売れてるじゃん」
『……有難いことに』
「だからさ、ある意味心配はされてないんだよね、俺」
『そうなの？』
「そうだよ。
人柄が分かってるんだもん」
自分でも自覚してる。
三代目やEXILEとして活動してる自分は、
先輩や後輩に愛されてることを。
それは、Aもそう。
礼儀正しくて、気遣いもできて、明るい女の子。
いくらソロでも、女性メンバーに好かれてるのは見てて分かる。
「だからさ、気にしなくていいと思うよ」
『……剛典くんが、言うなら』
「そう思っていいから。
俺が、保証するから」
『保証って……どっかの家電屋さんじゃん』
そう言って笑ったA。
無理してない、優しい笑顔が、俺は大好きだ。
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「それじゃ帰ろっか」
『ねね、お家でゆっくり飲み直したい』
「いいよ」
『やった』
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作者名：雪乃 | 作成日時：2023年6月22日 19時
