引越し ページ28
剛典くんが仕事に行った後、私は引越しの準備を始めようと部屋に戻った。
『んーと、服は……全部持って行けるか』
『家具は……全部売っ払おう！』
『で、あとは……調理器具は全部持っていくとして。
食器も全部持っていくとして。
捨てるものも決めなきゃなぁ』
『先に服と食器持ってくか』
『後は、ネットであれこれ終わらせて……っと』
私はせっせとダンボールにあれこれ物を詰め込んだ。
そんなに多くない洋服の数々と、食器類を箱に入れると、計八箱。
『往復かぁ。頑張ろ！』
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「ただいまー」
剛典くんが帰ってきた。
私は剛典くんが空けてくれた部屋に居たからすぐ聞こえた。
『おかえり！
ご飯できるよ』
「ありがとうA。
何してたの？」
『んー、荷解きってやつ』
え！？
と言って剛典くんは、その部屋を覗いた。
「結構持ってきたね、大丈夫だった？」
『この時ほど車に感謝したことはないかなぁ』
「いや、それもだけど……量の話」
『あー、まぁ運べてるから！』
正直めっちゃ疲れた。
けど、これも剛典くんと一緒に過ごすため。
『ご飯にする？お風呂にする？
それとも、か・た・づ・け？』
「ちゃっかりしてるとこ好きだよ俺。
ご飯にする」
『はーい、着替えたれ行くね！』
彼は私の頭を撫でてキスをすると、リビングに出た。
私は急いで着替えてリビングに出ると、剛典くんがキッチンに立ってて。
「準備なら俺も手伝うよ。
一人でやるより二人でやる方が早いしね」
『ありがとう』
私はその気遣いを素直に受け取って、食器の準備を始めた。
「『頂きます』」
「『ご馳走様でした』」
食事を終えて私が食器を洗ってると、剛典くんが後ろから抱きしめてきた。
『どうしたの？』
「A、お墓参り行こっか」
『え、いつ』
「今週中。
俺も纏まった休み貰ったから」
私は皿洗いの手を止めずに頷いた。
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作者名：雪乃 | 作成日時：2023年6月22日 19時
