お出迎え ページ23
とても綺麗な景色だった。
観客席のサイリウムが、キラキラと輝いてて。
沢山の人に見守られてたんだなと実感した私は、涙をこぼした。
私が、涙を流しながら奈落を抜けると、沢山の拍手が出迎えてくれて。
私は階段を昇って何度も頭を下げていた。
『っ……』
用意されていた椅子に座った私は、スタッフさんから貰ったタオルに顔を埋めていて、声を出さないよう頑張っていた。
どれだけ堪えても涙が溢れてくる。
何に対しての涙か分からない。
けど、無事に全公演終えたことに安心したのは事実だ。
萩花「Aちゃん」
夏恋「Aさん」
ようやく落ち着いた時、共演したことがきっかけで仲良くなった藤井姉妹が来てくれた。
萩花「良かったですよ」
夏恋「素敵でした」
『ありがとう』
それぞれハグをして、私の頬の涙を萩花ちゃんが拭ってくれた。
そうしてると、他にも来てくれてた。
敬浩「お疲れさかもっちゃん」
『TAKAHIROさん、ありがとうございます』
篤志「お疲れ様、良かったよ」
『ATSUSHIさんも、ありがとうございます』
お二人と握手を交わして、少し話す。
他にもTRIBEメンバーや劇団EXILE、ガールズメンバーも来てて。
共演者さんたちもみんな来てて。
登坂「それじゃ、最後は岩ちゃんね」
岩田「え」
三代目の皆さんは揃って来てくれてて。
『お忙しい時期なのにも関わらずありがとうございました』
直人「全然だよ！来れて良かった！」
直己「良かったよ」
二人と拍手をしてると、涙を堪えるのが厳しくて、泣き笑いだった。
心配されたけど、悲しいとかじゃないのを伝えると笑ってくれた。
登坂「同じアーティストとして感動したし、ちょっと悔しかった。
だから、俺らも負けないように頑張るから、お疲れ様」
今市「あの瞬間、沢山の人が救われたと思うし、俺も救われたよ。
逆にありがとうね、その言葉をくれて」
二人の言葉に涙が止まらなかった。
最後は、彼だった。
「お疲れ様、すごく良かったよ」
『ありがとうございます、楽しんでくれて私も嬉しいです』
そう言って私は握手をした。
付き合ってることを公表してないし、話してる人もそう多くない。
だけど、こうやって彼に触れ合えただけで、嬉しく思う。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 125人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪乃 | 作成日時：2023年6月22日 19時
