デート ページ11
今日は撮影が早く終わった。
だから二人で街を歩いていた。
「どっか行きたいとこある？」
『んー、アクセサリー見たいかなぁ』
「良いじゃん、行こう」
剛典くんはそう言って手を繋いでくれた。
剛典はベレー帽にサングラスにマスクと、
私は帽子と伊達眼鏡とマスクとフードを被って変装している。
意外とバレないものだ。
「アクセって何見るの？」
『ネックレスとブレスレット。
髪の色変わったでしょ私』
「うん」
映画になるにあたって髪を染めた。
その為アクセサリーに合う合わないが出てきたのだ。
『その関係で変えよっかなって』
「そうなんだ」
『それ言ったら剛典くんも髪色よく変わるよね』
「そうだね、茶髪にしたと思ったら今金髪だし」
『極端』
「俺将来禿げそう」
『それ言ったら私もだなぁ』
ミュージックビデオや出演するドラマの関係で、髪を染めることが多い。
髪へのダメージは半端ないだろう。
「髪って言ったら、Aのシャンプーめっちゃいい匂いするよね」
『あー、ミント系だけどね』
「サッパリしてて俺は好きよ」
『ありがと』
語尾にハートが付いたのは気のせいだろう。
.
.
Takanori.I
真剣にアクセサリーを選んでるAがめちゃくちゃ可愛い。
『これどうかな？』
「似合ってるけどさ、Aの普段の服装考えるとこっちじゃない？」
『あ、ホントだ』
こうしてどうかなって見せてくるのが、めちゃくちゃ可愛い。
どっか冷めてた俺が、こうやって思えるようになったのが凄いって思う。
『……よし決めた』
「早いね」
『うん、お会計してくる！』
「あ、待って。
俺も買いたいから、一緒に行こ」
Aと一緒にアクセサリーを見てた俺。
買いたいのがあったのは事実で、Aがどんなデザインを好むかを見てた。
だから、それに合わせて、俺も買いたいのがあって。
「ありがとうございました」
店員さんに見送られて、俺らは外に出た。
『ねぇ剛典くん、申し訳ないよお金』
「いーのいーの、気にしない気にしない」
『……ありがとう』
「ふふっ、どういたしまして」
また俺達は来た時と同様、手を繋いで歩き出す。
食事にしてはまだ早いから、適当に服屋を見てブラブラして歩く。
まだそう多くはないデートだけど、
他愛もない話しながらブラブラするのも悪くない。
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作者名：雪乃 | 作成日時：2023年6月22日 19時
