月光花ホテル 2 (ページ5)

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｢しげが、神ちゃんがスイーツ作ってるからって教えてくれてん。うまそ～｣

流星がそう言いながら神ちゃんの作ったスイーツに引き寄せられていく。

赤、緑、黄色。

色んな色に飾り立てられたスイーツがキラキラとまるで自分から光ってるように見えた。

流星はそれら一つ一つをパクパク口に放り込む。

ちら、と神ちゃんの方を見ると、神ちゃんはニコッと笑って意識を飛ばしてきた。

(たまたま会話聞こえてん。せやから急いで作ったんや)

神ちゃんは特定の相手に意識を飛ばすことが出来ることはもちろん、このホテル全体に意識を飛ばして、スタッフ同士の会話なんかを聞くことが出来る能力がある。

それは神ちゃんにしか出来へんことやし、全体に意識を飛ばす…俺らはループって呼んでんねんけど、神ちゃんがループを起こすタイミングは全く決まってへん。

なんなら本人も意識的にやってる訳やないから、たまたまループしててたまたま俺と流星の会話を聞いてて急いでスイーツを作ってくれたってことや。