その笑顔……5 ページ5
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「露木ちゃん、こっち出来たよ!」
『はーい!四木さん、ありがとうございます!』
本日はお待ちかねのヘルプさんが入ってくれる日。
四木さんはロマンスグレーの髪をオールバックに撫で付けたダンディなおじさまである。言わずもがなではあるけれど、親戚のおばちゃんと一緒に働いていたベテランさん。
私もそれなりに仕事はこなせているとは思うけれど、四木さんが厨房に入ってくれるだけで回転率がグッと上がるので本当に尊敬しかありません。
……もっと精進します!
四木さんが居る日は、カウンターでの注文の承りと盛り付け配膳が私の仕事。いつも通り、強面なお兄さん達を相手に軽く世間話をして食事を提供する。
すると、食堂の後ろの方……出入口の所が僅かに騒がしくなった事に気が付く。何かあったのかな?なんて暢気に捉える私は反社で働くには向いていないのかもしれない。
「……マジで?」
「マジだから早く露木ちゃんまで話回せ!」
「わぁったよ!」
「……にしても、あの人がなぁ」
ザワザワとした喧騒が次第にこちらへ近付いてくる。
え、何事?もしかして何かあったとか??ワケがわからず目を白黒させる私の所に伝言ゲームで回された話が辿り着く。
「露木ちゃん、今、望月さんと一緒に鶴蝶さんっていう幹部の人が来てる」
『はぁ』
「露木ちゃんなら大丈夫だとは思うけど、粗相とかないように気を付けてな」
「まあ、鶴蝶さんなら幹部の中ではダントツで優しいし常識人だし大丈夫だとは思うけど、用心するに越したことはねぇからな」
『ナルホド、取り敢えず了解です!』
ふむふむ成程ね。
望月さんと同じく偉い人が急に来たせいでザワついていたって事ですか。望月さんは最初から居たから馴染んでいたみたいだけど、他の幹部の方が食堂に来た事はなかった。
確かに、自分達の上司みたいな人が急に現れたら落ち着かないよね。わかる。
ウンウン、と一人頷いていればふと影が差して目の前が暗くなる。閉じていた目を開けると、望月さんが立っていて。
『望月さん、お疲れ様です!』
「あぁ。今日は?」
『今日は和食ですよ!定番ですけど、肉じゃがが美味しくできました!』
「そうか。それならそれを頼む」
『はい!』
今日もパパみが強くて素敵だ〜!なんて到底人には言えないような感想を思い浮かべながら望月さんの隣へと視線を向ける。
はて、この左目にかけての大きな傷とオッドアイが特徴的な方は……?
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瑠璃(プロフ) - 初めまして。とても楽しく読ませていただきました。できれば続編希望します。 (5月18日 22時) (レス) id: f3335c8e16 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - 終わったんか🥺 (2023年3月20日 22時) (レス) @page42 id: eb117a410a (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - にじさーん!!オプチャのサツキです。大分前にコメしたことがあるんですが・・ホントに更新楽しみにしてます!お時間ある時でいいのでいつまでも待ってます! (2023年2月18日 22時) (レス) @page42 id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - ほんっとに面白くて最高の作品に出会いました!!続き楽しみです!! (2023年2月16日 23時) (レス) @page42 id: a500e3a75b (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 最高です大好きです文才が天才すぎます、、良ければお時間ある時に更新お願いします、、完結までついていかせてください、、 (2023年2月11日 17時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2022年7月28日 0時