その笑顔……３９ ページ40
.
ほぼ意識のない大人を運ぶのって大変過ぎる……。
着替えるために部屋に戻り、ついでに飲み物を置いて再びピンクさんの所へと戻った私。
戻ってみても意識がハッキリしていなくて、半ば引き摺る形で移動させてしまったワケで。
もしスーツが汚れてしまっていたらごめんなさい……。
なんとか部屋に辿り着いた頃にはもう息が乱れまくっていて、自分の体力のなさを突き付けられた気分です……。
玄関で息を整え、ズルズルとベッドの方へとピンクさんを運ぶ。
個人的に嘔吐してしまっている時は口をゆすいだ方が不快さが減ると思うのでコップに水を注ぎピンクさんの口元へと当ててみる。
『口の中気持ち悪いと思うので、ぐちゅぐちゅぺってしましょうね？』
「……ん、」
ピンクさんを移動させるのはリスクが高いのでボウルを準備しました。買ったばかりのモノでしたが仕方がない犠牲です……。
二回、三回とゆすいだのを確認して先程購入したペットボトルの水を飲ませておく。ある程度良くなりつつある顔色にホッと安堵しながら、まだ歩ける程ではない状態のピンクさんをどうするべきか考える。
誰なのかも部屋がどこなのかも知らないし、何より一人で部屋に帰すには心配過ぎて私の方が眠れなくなってしまいそう。
『……明日までこの部屋で休んでもらう？』
そうなるとスーツでは寝づらそうで。
比べるまでもなく私より高い身長……何か着替えられそうな服があっただろうかとクローゼットを漁ってみる。
『んと、確かこの辺りに……、あった！』
以前、もこもこふわふわとした手触りに一目惚れして購入したパジャマ。帰ってからサイズを確認したらフリーサイズ？大きいサイズ？メンズ？？と迷ってしまうような大きさで泣く泣く着ることを断念した記憶があった。
それでも好きな服だったので定期的に洗濯をしていたのは本当に流石だと思う。
……あの、見た目とかから勝手に女の人かな？って思ってたんですけど、もしかして男の人ですか？？
ベストを脱がせてシャツのボタンを外したら、その……裸なんですよ。私、痴女とか言われません？大丈夫ですか？？
『大丈夫、コレは介護コレは介護コレは介護……』
実際に声に出して自分に言い聞かせつつ、出来るだけ視線を外しながら着替えを終わらせる。
……よくよく考えてみたら介護じゃなくて看病かもしれない。
再びズリズリとピンクさんをベッドの上まで移動させた私を誰か褒めて下さい。
……運動しよ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2190人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瑠璃(プロフ) - 初めまして。とても楽しく読ませていただきました。できれば続編希望します。 (5月18日 22時) (
レス) id: f3335c8e16 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - 終わったんか🥺 (2023年3月20日 22時) (レス) @page42 id: eb117a410a (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - にじさーん！！オプチャのサツキです。大分前にコメしたことがあるんですが・・ホントに更新楽しみにしてます！お時間ある時でいいのでいつまでも待ってます！ (2023年2月18日 22時) (レス) @page42 id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - ほんっとに面白くて最高の作品に出会いました！！続き楽しみです！！ (2023年2月16日 23時) (レス) @page42 id: a500e3a75b (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 最高です大好きです文才が天才すぎます、、良ければお時間ある時に更新お願いします、、完結までついていかせてください、、 (2023年2月11日 17時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にじ
| 作成日時：2022年7月28日 0時
