その笑顔、100円【梵天】

その笑顔……１８ ページ19

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ふわとろオムライスと言えば、最後に包丁で真ん中を切ってとろ〜っと広がるのが絶対的理想。

そうと決まればチキンライスを作ってからメインのオムレツ、で調理を進めなくては。

チキンライスはやっぱり、鶏もも肉と玉ねぎは入れた方がいいよね。玉ねぎはみじん切りにしてじっくり炒めて、鶏もも肉は一口サイズに切ろうかな。

フライパンに玉ねぎと鶏もも肉を投入しつつ、二人分の白米を用意する。



『万次郎くん、冷蔵庫からケチャップを持ってきてくれますか？』

「ん」



本日も、料理が出来上がる工程が気になって仕方がない様子の万次郎くん。もう、フライパンに視線が釘付けなのが可愛すぎて私はツラいです。

それに、お手伝いできることも嬉しいのか、お願いごとをすると、こう……本当にすこーしだけ笑うんですよ……尊い……。



「A、持ってきた」

『ありがとうございます、万次郎くん』



フライパンにケチャップと塩こしょうをお好みで投入。味見役はもちろん万次郎くんです。
チキンライスをお皿に盛り付けて、メインのオムレツを作りたいと思います！

正直、卵って何を入れても何に入れてもハズレが少ない有能食材なので、今日はマヨネーズと塩こしょうを入れて作ろうかなと考えてました。

バターを溶かしたフライパンに玉子を入れて、スクランブルエッグを作る時のように混ぜて……お好みの半熟状態で、くるりと包めば……



『万次郎くん、チキンライスのお皿……』

「……持ってる」



形も上手くできた！と心の中で自分に100点をあげつつ万次郎くんにお皿の移動を頼もうとした所……。
既にお皿を持った万次郎くんが待ち構えていた訳ですよ。

……ウーン、可愛い。

形が崩れないように注意しながらオムレツをチキンライスの上に置く。我ながら完璧な出来栄えでは？？

もちろん、最後の仕上げ……オムライスの一番の楽しみとも言えるオムレツを切る作業は万次郎くんにお願いしようと思っているので同じ要領でもう一つのオムレツもパパッと作ってしまう。



『万次郎くん、仕上げですよ』

「……！」

『ここ、真ん中を包丁で優しく切って下さいね！』

「ん」



切れ込みに沿って、とろりと開いていくオムレツ。

カンッペキである。頑張ったよ私！見て、この万次郎くんのキラキラおめめ！！これを見るために作ったと言っても過言ではない！！

最後に、赤ワインを煮詰めてケチャップと混ぜたソースをかければミッションコンプリート。




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