その笑顔……14 ページ14
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私が言ったことを紙に書きながら、望月さんへも確認をする鶴蝶さん。うーん、絵になりますねぇ。
役得〜なんて心の中で叫びながら鶴蝶さんのペンの動きを目で追いかける。どうして動く物を目は追ってしまうのか……。
「A、家族の話なんだがもう少し詳しく聞いてもいいか?」
『いいですけど、私も余り知らなくて……』
両親は私が小学生になるよりも前に交通事故で亡くなった。一人っ子だったので兄妹はいないし、親戚の人達とも交流はなかったため知っている人もいない。
そんな中で私を引き取ってくれたのが、この食堂で働いていた親戚のおばちゃん。龍ヶ崎
『……これくらいしか知らなくて』
「十分だ、ありがとう」
『お礼を言われることでは……』
再び、ペンを走らせた鶴蝶さん。
やっぱり反社だから、スパイとか諜報員って言うんだっけ?そういうのがいないか調査してるのかな?
まあ、私はそんな器用なことはできないんですけどね。絶対、挙動不審になるし表情に出まくりな自信がありますよ。
「すまない、もう少しだけ付き合ってくれ」
『了解です!』
続いての質問は、梵天についてだった。
私が苦手なところだ……と答えられるのだろうかという不安が大きくなる。
肝心の質問内容はこう。
梵天の首領を知っているか、幹部の名前と顔をしっているか、梵天がどんな組織なのかを知っているか。
え、これ……チキチキ☆梵天についてどこまでわかるかな?!〜間違ったら即死〜とかっていうアブナイゲームとかじゃないですよね?
初手から既に怪しい私の命の保証はありますか??
『えっと、……梵天の首領は、』
「あぁ」
『すみません、よくわかりません』
「……そう、か」
『あと、梵天の幹部の方達なんですけど、』
「……あぁ」
『望月さんと鶴蝶さん以外、よくわかりません』
「……音声アシスタントか??」
命の危機かもしれない状況だったので、声音も平坦になってしまったらしく、Hey!と話し掛けるタイプの音声アシスタントに似ていたらしい。
鶴蝶さんだけでなく、望月さんも少し笑ってません?
望月さんは鶴蝶さんの最後の一言でダメになったし、鶴蝶さんに至っては、最初の首領についての質問に答えた所から肩震えてませんでした?
……というか、二人共笑ってるし生存ルート確定って事で大丈夫でしょうか!
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瑠璃(プロフ) - 初めまして。とても楽しく読ませていただきました。できれば続編希望します。 (5月18日 22時) (レス) id: f3335c8e16 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - 終わったんか🥺 (2023年3月20日 22時) (レス) @page42 id: eb117a410a (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - にじさーん!!オプチャのサツキです。大分前にコメしたことがあるんですが・・ホントに更新楽しみにしてます!お時間ある時でいいのでいつまでも待ってます! (2023年2月18日 22時) (レス) @page42 id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - ほんっとに面白くて最高の作品に出会いました!!続き楽しみです!! (2023年2月16日 23時) (レス) @page42 id: a500e3a75b (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 最高です大好きです文才が天才すぎます、、良ければお時間ある時に更新お願いします、、完結までついていかせてください、、 (2023年2月11日 17時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2022年7月28日 0時