同居生活6 ページ6
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出来上がったのは、サツマイモの炊き込みご飯とサツマイモの味噌汁。
そして、焼き鮭と冷蔵庫に入っていた漬け物。
なんで漬け物が冷蔵庫にあったのかは謎。
煉獄さんには後ろから作業を見てもらっていたけれど、やはり使い方がわからないものばかりだったらしく時折、よも?と声が聞こえて昇天しそうだった。
ありきたりな和食になってしまったのが申し訳ない。
テーブルまで運んでくれると言う煉獄さんに甘えて二人分の食事を並べる。
予備の食器と箸が活躍する日がくるなんて……。
「いただきます!」
『はい、召し上がれ』
「わっしょい!」
『ふふ』
「結野さん、うまい!」
『良かったです』
はぁ……この美味しそうに食べてくれている姿を見ているだけで白米三杯は食べられる。
さて、話の続きもしなければ。
『煉獄さん、ここに来る前に何があったのかとか覚えてますか?』
「うむ……信じられないかもしれないが俺は死んだ。腹を貫かれて、な」
『っ、それで気が付いたらここに?』
「あぁ。俺が死んだのは間違いないだろう」
え、猗窩座と戦い終わった後って事は。
煉獄さんは鬼滅の刃の世界に戻れない……?
戻っても煉獄さんは死亡しているのだ。
その事実が覆らない限り、そのまま消えてしまうのだろう。
複雑そうな表情で、自身の腹部を撫でる煉獄さん。
昨日見た無限列車のシーンを思い出して、ツンと目の奥が熱く痛んだ。
『その、そういう事であれば!煉獄さんさえ良ければ家で一緒に暮らしませんか!』
「よも……?!いやしかしだな、年頃の女性の家に俺のような得体の知れない男を住まわせるのは!!」
『煉獄さん、悪い事を考える人はそんな事は言わないものです!』
「む!だが男など心の底では何を考えているかわからないものだ!それに、今は善人であろうと悪人に変わらないという保証はない!!」
『確かにそうかもしれないです……けど!煉獄さん、ここに知り合いはいないですよね?今のまま外に出た所で路頭に迷うのは必然です!何より、お金はあるんですか?』
「むぅ、うむ……だが……」
『ふふ、私の勝ちですね!』
言葉に詰まった煉獄さん。
少しだけ眉尻が下がっていて千寿郎くんに似てるなあ、なんてついまじまじと観察してしまう。
「はは、言い負かされてしまうとは不甲斐ない……が!結野さんの言う事は正しい!すまないが世話になる!」
『はい、好きなだけ家にいてください!』
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chiaki0708(プロフ) - ムフフが止まりませんでした (2021年12月6日 14時) (レス) @page49 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます!好きな設定だと言って貰えて嬉しいです!雰囲気上手だと言って貰えて嬉しい限りです…更新は遅めですがこれからも頑張りますね! (2021年8月11日 12時) (レス) id: 7dcf5a18d1 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - この設定、素敵です!彼らの醸し出す雰囲気上手ですね。このお話に出会えて良かった! (2021年6月27日 21時) (レス) id: ca18a121f6 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - もしゃこうさん» 最高だなんて嬉しいです!私も書いていて楽しいので更新頑張ります!!ふふふ、ニヤニヤして貰えたのなら作者冥利に尽きますね!! (2021年2月9日 0時) (レス) id: 7fde5a79e3 (このIDを非表示/違反報告)
もしゃこう(プロフ) - めっちゃこのお話最高です!続きが気になります!そして自分はこれを読みながら1人部屋でニヤニヤしてますw (2021年2月8日 15時) (レス) id: eecce6b130 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2021年1月18日 21時