同居生活37 - 不死川実弥 - ページ37
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Aが姿を消した瞬間に、どんよりとした雰囲気を背負う煉獄と冨岡。
気持ちはわからなくもないが、正直鬱陶しい。
「オラ、さっさと動けェ!」
「そうは言うがな、不死川……」
「Aがいないとやる気が出ない……」
「つべこべ言ってねェで動けェ!!」
この二人を相手にするならば、下手な力加減などあってないようなもの。
だから、力の加減などしない。
二人の尻を力の限り蹴り飛ばす。
「よもっ、よもや!!痛いぞ不死川?!」
「しりが、われた……っ」
「尻は最初から割れてんだよォ!もう一発食らいたくなけりゃァ立てェ!」
「ぐっ……これが理不尽な暴力というものか!!」
「うごけない……」
煉獄には、洗い物を任せ。
冨岡には、風呂掃除を任せる。
俺はAに頼まれた洗濯をすべく服が脱ぎ入れられた籠の前に立つ。
四人分の衣類となると思ったよりも量が多く、ずしりと重さを感じた。
洗濯機に洗剤、漂白剤、柔軟剤を入れて服を投げ入れつつ下着をネットに入れていく。
「……っ、A、帰って来たら覚えてろよォ?」
男物の服に紛れて、明らかに女性のものだとわかる下着は否が応にも目が引かれてしまうもので。
Aの事だ、態とではないと思うが。
年頃の女がこんなにも無防備で良いものなのか。
出来るだけ視界に入れないように、そっと下着をネットに入れ込み。
他の服も投げ込み終えた所で、Aから言われた通りにボタンを押す。
自動的に水が流れ、くるくると回り始める。
「で、音が鳴るまでは放置、だったなァ」
「不死川!洗い物は終わったぞ!」
「なら次は部屋の掃除だなァ」
風呂掃除が終わった冨岡も手伝いに加わった事で、思っていたよりも早く掃除が終わる。
それを見計らったかのように、ピーッと聞き慣れない音が鳴り響く。
「洗濯が終わったみたいだなァ」
「む!それなら干すのを手伝おう!」
「座ってろォ」
「遠慮することはない!」
「いいから座ってろォ!」
「何故だ!!」
ずい、と顔を近付ける煉獄の頭を殴り大人しくさせつつ濡れた服を物干し竿に掛けて行く。
後ろで頭を抱え蹲っている煉獄としれっと服を干していく俺をオロオロと見比べる冨岡。
これが日常になるなら。それも悪くない気がした。
「不死川は直ぐに手が出るな!!」
「……暴力的な男は嫌われるぞ」
「そうだぞ!!」
「どうやら躾が足りねェみてェだなァ?」
「冗談だ!!」
「すまなかった」
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chiaki0708(プロフ) - ムフフが止まりませんでした (2021年12月6日 14時) (レス) @page49 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます!好きな設定だと言って貰えて嬉しいです!雰囲気上手だと言って貰えて嬉しい限りです…更新は遅めですがこれからも頑張りますね! (2021年8月11日 12時) (レス) id: 7dcf5a18d1 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - この設定、素敵です!彼らの醸し出す雰囲気上手ですね。このお話に出会えて良かった! (2021年6月27日 21時) (レス) id: ca18a121f6 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - もしゃこうさん» 最高だなんて嬉しいです!私も書いていて楽しいので更新頑張ります!!ふふふ、ニヤニヤして貰えたのなら作者冥利に尽きますね!! (2021年2月9日 0時) (レス) id: 7fde5a79e3 (このIDを非表示/違反報告)
もしゃこう(プロフ) - めっちゃこのお話最高です!続きが気になります!そして自分はこれを読みながら1人部屋でニヤニヤしてますw (2021年2月8日 15時) (レス) id: eecce6b130 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2021年1月18日 21時