同居生活19 ページ19
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一向に動こうとしない私に痺れを切らしたのは杏寿郎さんで。
羽織り一枚の私を浴室から連れ出しタオルでぐるぐる巻きにしてリビングへ。
着替えておけ、と普段より低い声で囁かれた私がフリーズしたのは当然の結果。
自分と同じ展開で二人がこちらに来てしまったからか杏寿郎さんはテキパキと二人へ指示を出していた。
……服、多めに買っておいて良かったね?
「A、着替えは終わったか?」
『んむ、終わりました!』
杏寿郎さんに続いて不死川さんと冨岡さんがリビングへと入って来る。
私、この三人と同じ空気を吸ってて大丈夫?
逮捕されたりしない??
「どこだァ?」
「Aの部屋だ!」
『初めまして、結野Aです』
「不死川実弥だァ」
「冨岡義勇」
「二人共、俺の知り合いだ!」
いや、凄いな……顔も良いし声も良い。
目も耳も幸せ過ぎるんだけど明日あたり私の命日だったりしない?
この三人が一緒に話してる描写とかなかったから、幸せ空間が出来上がってるんだけど。
何て言うか、杏寿郎さんだけだったから何とか心の声を漏らさずに済んでいたけれど。
その内ボロを出してもおかしくないと言うか、絶対ボロ出す自信しかないんですがそれは。
『えっと、不死川さんと冨岡さんはどうしてここに居るのかわかりますか?』
「……二十五になって死んだ、と思ったんだがなァ?」
「俺もだ」
「む?しかし不死川達の姿は俺が最後に見た時から変わっていないように見えるが!」
『?……それはおかしいのでは?』
杏寿郎さんの言う通り、彼らの姿は漫画やアニメで描かれていた姿と変わりない。
つまりそれは、逆トリップによって若返ったと?
いや、マジか。最高過ぎじゃない??
「いや、煉獄お前が生きてる事の方がよっぽどだからなァ?」
「……驚いた」
「それについては俺自身も驚いている!」
出来れば何時までも見ていたいやり取りではあるけれど。
とりあえずは、二人の今後の事を決めないといけないだろう。
一人暮らしのアパートに四人暮らしは大分……いやとても窮屈だろうけど!
引っ越しの準備や大学の退学手続きが終わるまでは我慢してもらわなくてはならない。
『あの、』
「どうした!」
『お二人は、ここに住むって事で大丈夫ですか?』
「そうさせて貰えんなら有難いけどよォ」
「邪魔じゃないか」
……二十五まで生きたからかしら??
不死川さんの雰囲気が柔らかいのですが!!
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chiaki0708(プロフ) - ムフフが止まりませんでした (2021年12月6日 14時) (レス) @page49 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます!好きな設定だと言って貰えて嬉しいです!雰囲気上手だと言って貰えて嬉しい限りです…更新は遅めですがこれからも頑張りますね! (2021年8月11日 12時) (レス) id: 7dcf5a18d1 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - この設定、素敵です!彼らの醸し出す雰囲気上手ですね。このお話に出会えて良かった! (2021年6月27日 21時) (レス) id: ca18a121f6 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - もしゃこうさん» 最高だなんて嬉しいです!私も書いていて楽しいので更新頑張ります!!ふふふ、ニヤニヤして貰えたのなら作者冥利に尽きますね!! (2021年2月9日 0時) (レス) id: 7fde5a79e3 (このIDを非表示/違反報告)
もしゃこう(プロフ) - めっちゃこのお話最高です!続きが気になります!そして自分はこれを読みながら1人部屋でニヤニヤしてますw (2021年2月8日 15時) (レス) id: eecce6b130 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2021年1月18日 21時