同居生活18 ページ18
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夕食も食べ終え、片付けも終わり。
杏寿郎さんとお互いの話をしていた時、軽快な音楽が鳴りお風呂が沸いた事を報せる。
「この音はなんの音だ?」
『お風呂の準備が出来た事を教えてくれてるんですよ』
「なるほど!わかりやすいな!!」
『杏寿郎さん、先に入りますか?』
「いや、Aから入るといい!」
順番をあまり気にしない私は、杏寿郎さんの言葉に甘えてお風呂に入る為の準備を整える。
お先です、と一声掛けて脱衣場へ入り身に着けていた物を脱いでいく。
浴室への扉を開けて、しみじみ思う。
浴槽が壊れたりしなくて良かった……!
保温の為に浴槽を覆っていた風呂フタをくるくると捲り、温くしておく。
そのまま入ると直ぐに逆上せてしまって、ふらふらになってしまうので……。
『明日はどうしようかな……』
シャワーから流れ出る温水を体に当てながら、何を優先的にやって行くべきか考える。
体を洗い、髪を洗い。
湯船に入ろうとシャワーを止めたその時だった。
『えっ』
それは昨日も体感した感覚。
ぐにゃりと空間が歪んで。
湯船に向かって、落ちる。
呆然と一連の流れを見守る私。
これは昨日の夜、杏寿郎さんが来た時と全く同じ現象。
当然ながら、凄まじい水飛沫が立ちぱたぱたと私の全身を濡らした。
その音の大きさ故に、リビングの方からも杏寿郎さんの声がする。
『……二人?』
「A!大丈夫か?!」
「ッ!今すぐ羽織れェ!!!」
「……?」
杏寿郎さんが浴室へと駆け込む。
それと同時に投げ渡された羽織り。
慌ててそれを受け取るも、私は目の前に居る二人から視線が逸らせなかった。
その二人は、どこからどう見ても。
不死川実弥と冨岡義勇だったのだから。
『……え?』
「A!早くそれを羽織ってくれないか!」
「煉獄だァ?!どうなってやがる……」
「生きていたのか?」
「いや、俺は死んだぞ!」
アッ……私の最推しと推し達が喋ってる……!
ぎゅ、と羽織りを握りしめた所でそれが不死川実弥の羽織りであることに気が付き慌ててシワを伸ばす。
最推しの羽織りにシワを付けてしまう所だった!
と言うか私がこのままこれを持っているとびしょ濡れに?!
『これ!濡れてしまうので返しっ、』
「頼むから羽織ってくれ!!」
『杏寿郎さん、近いです近いです!!』
余りにも鬼気迫る表情で念押ししてくる杏寿郎さんに負けた私は悪くない!顔が良い!!
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chiaki0708(プロフ) - ムフフが止まりませんでした (2021年12月6日 14時) (レス) @page49 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます!好きな設定だと言って貰えて嬉しいです!雰囲気上手だと言って貰えて嬉しい限りです…更新は遅めですがこれからも頑張りますね! (2021年8月11日 12時) (レス) id: 7dcf5a18d1 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - この設定、素敵です!彼らの醸し出す雰囲気上手ですね。このお話に出会えて良かった! (2021年6月27日 21時) (レス) id: ca18a121f6 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - もしゃこうさん» 最高だなんて嬉しいです!私も書いていて楽しいので更新頑張ります!!ふふふ、ニヤニヤして貰えたのなら作者冥利に尽きますね!! (2021年2月9日 0時) (レス) id: 7fde5a79e3 (このIDを非表示/違反報告)
もしゃこう(プロフ) - めっちゃこのお話最高です!続きが気になります!そして自分はこれを読みながら1人部屋でニヤニヤしてますw (2021年2月8日 15時) (レス) id: eecce6b130 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2021年1月18日 21時