同居生活16 ページ16
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次に向かったのは、二十四時まで開いているスーパー。
カートを杏寿郎さんに押してもらいながら、店内を回る。
本当は沢山買い込んでおきたいのだけれど、家にあるのは一人暮らし用の小さな冷蔵庫だけなのだ。
買っても無駄になってしまう可能性もなくはない。
杏寿郎さんが大食らいなので心配するだけ無駄かもしれないけれど。
『お肉と、野菜。あとはカップスイーツとかお菓子!で、飲み物は……ジュースとお酒かな』
「む!サツマイモが食べたい!!」
『ふふ、家にまだあるのでサツマイモは我慢して下さいね。杏寿郎さん、お酒は飲みますか?』
「Aがサツマイモ料理を作ってくれるなら我慢しよう!酒は嗜む程度だ!」
『杏寿郎さんの為なら腕によりをかけて!お酒は色々買って好みを見つけましょうか』
ぽいぽいとある程度の選別は行いながら、カゴへと食品を放り込む。
うーん、やっぱり冷蔵庫のサイズ足りないなぁ。
それに料理の方も品数作ろうと思うとテーブルだって小さいし。
出来れば年内には引っ越しを終わらせたい。
どちらにしろ明後日には大学へと行く予定だから、その時に話をして……。
『冷蔵庫に入らないかもなので、今日の分はこれくらいにしておきましょう』
「荷物を持つのは任せてくれ!」
『お酒も沢山買ったので助かります』
「うむ!Aはもっと俺に頼るといい!」
嬉しそうに笑う杏寿郎さんが最高にかわいい。
私までハッピーな気持ちになる……。
そっか、杏寿郎さんはこの世界で出来る事が限られている、と言うより出来ない事の方が多い。
そんな中、歳も変わらない女から世話をされるだけと言うのは心苦しく感じていたのだろう。
責任感が強く、煉獄家の長男として立派に生きてきた人だ。
けれど、それならば尚更。
私は杏寿郎さんを甘やかしたいし甘えて欲しい!!
『ありがとうございます!でも、杏寿郎さんも私に甘えていいんですからね!』
「そんな話だっただろうか!」
『え?そういう話でしたよね?』
「……そうか!」
レジで会計を済ませて、車まで荷物を運ぶ。
来る時と同じように車を走らせ帰宅する。
ところで杏寿郎さん。
さっきから視線がすごく痛いのですが。
思い返せば出掛けている間中、視線を感じていた。
私が視線を向ければ逸らされてしまったけれど。
どういった心境の変化なのか、杏寿郎さんが私に興味を持ってくれたって事でしょ??
早く目を合わせてお話したい所存です!!
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chiaki0708(プロフ) - ムフフが止まりませんでした (2021年12月6日 14時) (レス) @page49 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます!好きな設定だと言って貰えて嬉しいです!雰囲気上手だと言って貰えて嬉しい限りです…更新は遅めですがこれからも頑張りますね! (2021年8月11日 12時) (レス) id: 7dcf5a18d1 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - この設定、素敵です!彼らの醸し出す雰囲気上手ですね。このお話に出会えて良かった! (2021年6月27日 21時) (レス) id: ca18a121f6 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - もしゃこうさん» 最高だなんて嬉しいです!私も書いていて楽しいので更新頑張ります!!ふふふ、ニヤニヤして貰えたのなら作者冥利に尽きますね!! (2021年2月9日 0時) (レス) id: 7fde5a79e3 (このIDを非表示/違反報告)
もしゃこう(プロフ) - めっちゃこのお話最高です!続きが気になります!そして自分はこれを読みながら1人部屋でニヤニヤしてますw (2021年2月8日 15時) (レス) id: eecce6b130 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2021年1月18日 21時