同居生活15 ページ15
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その後は、生活必需品である日用品を買いに店舗を数店周りつつ。
杏寿郎さんが気になった物を買ったり、美味しそうなスイーツを見付けては買い食いしたりとデートを十二分に楽しんだ。主に私が。
大正時代にはなかった食べ物は杏寿郎さんの興味を引くらしく、ついつい私の財布の紐も緩んでしまった訳で。
まあ、後悔なんてしてませんが。
もう本当にお金だけはあるので、お金だけは……。
そして気が付けば、杏寿郎さんの両手は袋で埋まってしまっていた。
これにプラスで服も取りに行かなければならない、と。
杏寿郎さんと手も繋げないし。
帰りも電車を使おうと思っていたけれど、予定を変更してタクシーで帰ろう。
『杏寿郎さん、私も何か持ちますよ?』
「大丈夫だ!これくらいで音を上げるような鍛え方はしていない!それに、Aも荷物は持っているだろう!」
『こんな小さくて軽い袋を果たして荷物と区分して良いものか……』
「それは荷物だ!とにかく、この話はこれでおしまいだな!」
これ以上言っても、荷物を持たせてくれる事はないだろうとお言葉に甘えさせて貰う。
服を受け取った私達はタクシー乗り場へと向かいアパートへと帰宅したのだった。
荷物を置いて、再び買い物へ。
次は寝具と食材を買いに行かなくてはならない。
寝具については忘れていてくれた方が良かったのだけれど。
運悪く杏寿郎さんがその存在を思い出してしまった。
『今から行く所には私の車で向かいますね』
「車か!」
私の車は普通車なので、後部座席を倒してしまえば布団類でも十分に運べる広さがある。
運転席には私。助手席に杏寿郎さん。
やはり車も大正時代とは仕様が違うらしく、興味深げに見回しているのがかわいい。
『杏寿郎さん、シートベルトを……』
「しーとべるととは……これか?」
『正解です、私の真似して固定して下さいね』
杏寿郎さんがシートベルトを着けたのを確認して車を走らせる。
先に向かうのは、家具・インテリア用品を中心に扱っている大型店。
サイズは私と同じセミダブルにして掛敷と枕、それと各種カバーを一式で揃える。
ついでに食器類も数点見繕って、一緒に会計を済ませた。
『本当にお布団買っちゃうんですか?』
「当然だ!」
『私と一緒じゃダメなんですか?』
「ダメだ!」
『傷付きました』
「……ダメだ!!」
『む、今回は手強いですね……』
「うむ!絶対に譲らん!!」
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chiaki0708(プロフ) - ムフフが止まりませんでした (2021年12月6日 14時) (レス) @page49 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます!好きな設定だと言って貰えて嬉しいです!雰囲気上手だと言って貰えて嬉しい限りです…更新は遅めですがこれからも頑張りますね! (2021年8月11日 12時) (レス) id: 7dcf5a18d1 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - この設定、素敵です!彼らの醸し出す雰囲気上手ですね。このお話に出会えて良かった! (2021年6月27日 21時) (レス) id: ca18a121f6 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - もしゃこうさん» 最高だなんて嬉しいです!私も書いていて楽しいので更新頑張ります!!ふふふ、ニヤニヤして貰えたのなら作者冥利に尽きますね!! (2021年2月9日 0時) (レス) id: 7fde5a79e3 (このIDを非表示/違反報告)
もしゃこう(プロフ) - めっちゃこのお話最高です!続きが気になります!そして自分はこれを読みながら1人部屋でニヤニヤしてますw (2021年2月8日 15時) (レス) id: eecce6b130 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2021年1月18日 21時