同居生活30 ページ30
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最後に実弥さんと義勇の日用品や食器類を買い足して、服を受け取り帰路に着く。
途中、スーパーに寄って食材を買い込む。
お忘れかもしれないが、私は明日から大学に行かなければならないのだ。
その間、三人には留守番をお願いする訳で。
念の為お金などは少し置いて行く予定だけど、ご飯が食べられませんでした!と言う事態だけはあってはならない絶対に。
『実弥さん、私明日から用事があって家を開けるんですけど』
「あァ?何日か、ってことかァ?」
『いえ、夜までには帰ります!』
「夜?」
実弥さんの眉間にシワが寄り、ちょっと凄みが増してるんですが……。
そう言えば、この世界に鬼は居ないって話をしたのは杏寿郎さんだけだったかも?
そうであればこの表情に納得も出来る。
『実弥さん、この世界には鬼、というものは存在していないので大丈夫です!』
「……煉獄から聞いたのかァ」
『はい、少しだけですけど……』
まあ、実弥さんの事だし昨日の夜、杏寿郎さんが大人しく布団に入った事からも想像出来ていたかもしれないけどね。
何より、実弥さんと義勇は鬼舞辻無惨を倒して二五歳まで生きているのだ。
『そういう事なので、実弥さんに食事の用意とかをお任せする事になりそうで……』
「あー……なるほどなァ」
ショッピングカートを押しながら、少し先を歩く杏寿郎さんと義勇の後ろ姿を見詰める。
うん、年相応に騒がしい……いや、年相応に騒がしくて許されるのは小学生くらいまでじゃないかな??
ねえ、義勇なんて精神年齢25歳……。
杏寿郎さんと義勇がじゃれあっているのは凄くかわいいのだけど。ちょっと本気出かけてない?大丈夫?
『杏寿郎さん、義勇。喧嘩はダメですよ』
「喧嘩ではないぞ!」
「……煉獄が、」
「む!冨岡は俺のせいにするつもりか?!」
「おいコラ、喧嘩すんなっつーの」
理由を聞けば、今日の夕食の内容で言い合いになっていたらしい。
理由までかわいいとかどうすれば?
「A!俺はAが作るサツマイモの味噌汁がどうしても食べたい!!」
「……俺も、Aが作る鮭大根がいい」
『……今日は両方作りましょう』
「我儘なガキかお前らはァ」
会計を終わらせ、荷物を車へ運ぶ。
隣を歩く実弥さんをちらりと見上げ、ちょん、と袖を引く。
「?」
『次は、おはぎも作りますからね』
「ふはっ、そりゃ楽しみだなァ」
アッ、その目を細めて微笑むの格好良すぎて好き!!
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chiaki0708(プロフ) - ムフフが止まりませんでした (2021年12月6日 14時) (レス) @page49 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます!好きな設定だと言って貰えて嬉しいです!雰囲気上手だと言って貰えて嬉しい限りです…更新は遅めですがこれからも頑張りますね! (2021年8月11日 12時) (レス) id: 7dcf5a18d1 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - この設定、素敵です!彼らの醸し出す雰囲気上手ですね。このお話に出会えて良かった! (2021年6月27日 21時) (レス) id: ca18a121f6 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - もしゃこうさん» 最高だなんて嬉しいです!私も書いていて楽しいので更新頑張ります!!ふふふ、ニヤニヤして貰えたのなら作者冥利に尽きますね!! (2021年2月9日 0時) (レス) id: 7fde5a79e3 (このIDを非表示/違反報告)
もしゃこう(プロフ) - めっちゃこのお話最高です!続きが気になります!そして自分はこれを読みながら1人部屋でニヤニヤしてますw (2021年2月8日 15時) (レス) id: eecce6b130 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2021年1月18日 21時