episode.5 ページ5
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今の今までサカズキさんの膝の上で寝ていたのかと思うと申し訳ない気持ちで一杯だ。
恐らくだが、私がサカズキさんのシャツを握り締めていた事が原因だろう。
それなら無理矢理にでも引き剥がしてくれて良かったのに。
『 えと、その…、何か手伝いますか？ 』
何を言うでもなく目の前の書類の山を片付けるサカズキさん。流石に手持ち無沙汰になった私はダメ元で手伝いを願い出る。
ちらりとこちらを
「 …いらん 」
『 で、ですよね…… 』
何となく沈黙に耐え切れず言った事とはいえ、バッサリ過ぎる返しに苦笑いが零れる。
まあ、サカズキさんはそういう人だと知っているからそんなに気にはならないけど。
しかし、本当にする事がない。
「 …名前は何て言うんじゃ 」
『 へ…あ、Aです 』
「 ほうか。…暇なら、好きにしたらえェ 」
書類に向けられたままの瞳。
サカズキさんの表情を見る事は出来ないけれど、私を気遣っての言葉なのは分かる。
自分がテレビやマンガ越しに見てきたサカズキさんの印象とは大分違う優しさに、自然と笑みが零れた。
『 それなら、お茶を煎れて来ますね 』
「 好きにせェ 」
もしかしたらサカズキさんは少し不器用なのかもしれない。
意外な一面が見れてルンルン気分で扉を開ける。
近くに居た海兵さんを捕まえ、キッチンまでの道案内をして貰う。
『 お仕事中なのにすみません 』
「 いえいえ、大将殿の客人ですから！ 」
『 客人？ 』
「 ええ。貴女の事は丁重に扱うようにと 」
サカズキさんがそんな風に言っていてくれたなんて。
思わぬ収穫に自分の頬が緩んでいくのが分かった。
海兵さんに案内して貰ったキッチンは、広かった。これだけの規模を誇る軍艦に備え付けられているのだから当然ではあるけれど。
そこでお湯を沸かし、そのまま急須へと注ぐ。
ゆらりと立ち上る湯気。
冷めない内に持って行こうと、足早にサカズキさんの部屋へと向かう。
『 サカズキさん、Aです。入りますね 』
一声掛けて、扉を開く。
中では未だに書類と睨めっこを繰り広げるサカズキさん。
『 サカズキさん、少し休憩にしませんか…？ 』
「 わしの仕事の邪魔をしよるか 」
『 偶には肩の力を抜く事も大事ですから 』
言葉自体はキツく聞こえるが、愉しげに上げられた口角。
「 肝の据わった小娘じゃのォ…！ 」
いえ、肝は据わってません。
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にじ(プロフ) - †NANA†さん» NANAさん、ご指摘ありがとうございます。紛らわしくて申し訳ないのですが、そちらはわざとそうしています…。コメントありがとうございました！ (2018年4月18日 22時) (
レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - ひな。さん» ひな。さん、コメントありがとうございます！生き甲斐だなんて…ありがとうございます笑 これからも更新頑張らせて頂きます！ (2018年4月18日 22時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - えこるさん» えこるさん、コメントありがとうございます！楽しく読んで頂けて嬉しく思います！これからも更新頑張らせて頂きますね！ (2018年4月18日 22時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ5で、「そうか」が「ほうか」になっているところがあります。 (2018年4月18日 7時) (レス) id: 288d462176 (このIDを非表示/違反報告)
ひな。(プロフ) - 続編おめでとうございます！毎日更新されるのを楽しみにしております！これがもはや生き甲斐になってます笑、お忙しいとは思いますが、これからも頑張ってください！ (2018年4月18日 7時) (レス) id: 8e0f19d245 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にじ
| 作成日時：2018年4月7日 20時
