episode.29 ページ29
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ぶつかった衝撃で後ろに倒れる身体。
しかし衝撃が襲って来る事はなく、腰へと回された腕が私の身体を支えてくれていた。
「 すまねェな、お嬢ちゃん。怪我はないか？ 」
『 あ、ありがとうございます 』
助けてくれた男性を見上げる。
どこかで見た顔。絶対に知っている人だ。でも、名前が出てこない。
思い出そうと努力はしてみたものの、後少し、という所で邪魔が入った。
「 やっと見付けたぞ、女ァ…！ 」
「 おいお前。その女をこっちに渡せ。痛い目見ねェうちになァ！ 」
『 っ、す、すみません…！私の事は良いので逃げて下さい！ 』
見ず知らずの人を巻き込む訳にはいかない。
そう思って言葉を発したのだが。
「 おいおい…男に女を見捨てて逃げろってのか？ 」
『 私を助ける理由が…！』
「 追われてる女を助けた、理由なんざそれで十分だ 」
普通だったらこんな面倒事に自分から首を突っ込んだりしない。しかも人攫いから逃げている様な女だ。何か訳アリだと思われても可笑しくない。
それなのに。彼は私を助けてくれると言う。
スモーカーさんと離れて心細かった。
スモーカーさんが間に合わなかったら。
考えない様にしていた気持ちが一気に溢れ出る。
『 ─── … 助けて、』
「 当然だ 」
この人なら助けてくれる。
そう思った私は小さく助けを求めた。
相手が動いたのと、私の身体を抱き寄せたままの男の人が動いたのは同時だった。
が、決着は余りにも一瞬で。2発の銃弾が男の太腿を撃ち抜く。相手の動きを止める、という点においてそれは十分な効果を発揮した。
痛みに悶える男達を素早く縄で縛り、道の端の方へと放り投げる。
「 さて、お嬢ちゃん大丈夫か？ 」
『 あ…助けていただいて、ありがとうございました、』
「 俺は当然の事をしたまでだ…立てるか？ 」
ぺたりと地面に座り込んだ私は、初めて体験した恐怖からか足に力を込める事が出来ずにいた。
見兼ねた男の人が私の身体を抱き上げる。
「 よく頑張ったな 」
『 …こ、怖かったです、』
「 あぁ 」
『 本当に、ありがとうございました…！ 』
涙が滲む所を見られたくなくて。
ぎゅうっと彼の服へ顔を押し付ける。力一杯握った服はシワになるかもしれないのに、子供をあやす様に背中を叩いてくれる。
『 あの、私はAです。お名前を、教えて下さい 』
落ち着きを取り戻した私は、問い掛ける。
「 あぁ、俺はベン・ベックマンだ 」
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にじ(プロフ) - †NANA†さん» NANAさん、ご指摘ありがとうございます。紛らわしくて申し訳ないのですが、そちらはわざとそうしています…。コメントありがとうございました！ (2018年4月18日 22時) (
レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - ひな。さん» ひな。さん、コメントありがとうございます！生き甲斐だなんて…ありがとうございます笑 これからも更新頑張らせて頂きます！ (2018年4月18日 22時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - えこるさん» えこるさん、コメントありがとうございます！楽しく読んで頂けて嬉しく思います！これからも更新頑張らせて頂きますね！ (2018年4月18日 22時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ5で、「そうか」が「ほうか」になっているところがあります。 (2018年4月18日 7時) (レス) id: 288d462176 (このIDを非表示/違反報告)
ひな。(プロフ) - 続編おめでとうございます！毎日更新されるのを楽しみにしております！これがもはや生き甲斐になってます笑、お忙しいとは思いますが、これからも頑張ってください！ (2018年4月18日 7時) (レス) id: 8e0f19d245 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にじ
| 作成日時：2018年4月7日 20時
