第110話【 強制的な主従関係 】 ページ36
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リアンと名乗った
迷いなくAの前へと進み出て、膝を折った姿は忠誠を誓う騎士にも見えた。
しかし、一言だけ。どうしても、一言だけ言わせて欲しい。
『 頼むから服を着てくれ! 』
「 ……服、とは?ふむ、身体を覆う布のことか 」
なんなんだ、
頭痛がするような感覚に、つい額に手を当てる。
いや、
『 その前に、主ってなに?! 』
「 うふふ、おめでとうA。無事に貴方を主人として認めてくれたみたいで私も安心したわ 」
『 いやいや、シオンさん?説明が足りてない 』
主人とか本当に勘弁して。
キース先輩のことだってあるし、俺の手には負えない。責任とか持てない。
綺麗な微笑みを浮かべたシオンは、何か問題でも?と首を傾げた。
だからね?問題しかないんだって。
「 Aはそう言うけれど、リアンは貴方を主人として認めているもの。ほら、彼の左胸……心臓の辺り。わかるかしら? 」
『 ……痣?いや、紋章? 』
「 ふふ、そうよ。リアンという存在全てがAの所有物であり忠誠を捧げた主人であることを示す紋章 」
とても軽い雰囲気で教えてくれたシオン。
いや、軽くないよ?所有物って……しかも、強制的に主従関係を結ばれるとか何の罰ゲームですか?
シオンに対して言いたい事も、リアンに対して言いたい事も山程あるというのに言葉に纏まらない。
「 A、諦めて?」
『 あー、もう!わかったよ!』
どこから用意したのか、黒衣を纏ったリアンがAの言葉を待つように静かな瞳を向けていた。
よくよく見れば、瞳の奥には不安の色も見て取れる。
その感情を感じ取ってしまえば、俺の心は簡単に揺らいでしまう。
『 リアン 』
「 はい 」
『 その、主人とかは無理……いや!主人になるから!これからよろしくな?な!』
「 ……っ、我が主。俺の全ては貴方の為に 」
クソ!主人が無理って言った瞬間に分かり易くしゅんと
無駄に顔も整ってるせいで、こっちの方が悪いことしてる気分になるわ!
主君に忠誠を誓うように目の前で
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ぱるむ(プロフ) - 続きを!!!!!! めっちゃ好きです!! (2021年6月29日 22時) (レス) id: fc15dafcd2 (このIDを非表示/違反報告)
白羅(プロフ) - 初めまして、楽しんで読ませていただいています。このシリーズの1作目が投稿された時からお気に入りで何度も読み返しています。完結状態ですがアイディアが浮かび次第更新して頂けたら嬉しいです。気長に待ってます。 (2021年1月30日 17時) (レス) id: dff74dac63 (このIDを非表示/違反報告)
真昼の空 - オリジナルだけどキャラ設定とかも凝っていてすごいです!!これからも更新楽しみにしてます!頑張ってください!! (2020年10月14日 14時) (レス) id: 8540b78713 (このIDを非表示/違反報告)
ケロロ - 何度読み返しても面白いです!更新楽しみに待ってます! (2020年9月30日 3時) (レス) id: e9685f451b (このIDを非表示/違反報告)
アイス - このあとの展開がめちゃくちゃ気になります! 更新を楽しみに待ってます! (2020年5月29日 18時) (レス) id: 1301bbdf34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2018年3月2日 0時