第102話【 探し人 】 ページ27
.
オウラ、ヨハンと別れシルラと中庭に残されたA。
チビと
『 シルラ、俺行かないと 』
「 何だ、大事な用事か? 」
『 友達と久々に会ってくる 』
寂しそうに目を伏せたシルラの髪をさらりと撫でて立ち上がる。シルラに擦り寄っていたチビも、Aが移動すると知ってその羽を
シルラは渋々ながら、小さく手を振って見送ってくれた。
『 この時間なら、きっと昼飯だよな 』
「 キュウ! 」
少しばかり駆け足で、クライン達が居るであろう部屋を目指す。
中からは、がやがやと話し声が
Aはその扉を迷いなく開き中へと足を踏み入れた。久々に見る聖バラッド学園の生徒達。その中に見知った顔が居ないかと視線を
『 なぁ、クライン達を見掛けなかったか? 』
「Aじゃん、超久々じゃね?クライン達はまだ此処では見掛けてないぞ 」
『 そっか、さんきゅ 』
クラスメイトを見付け、クライン達が何処に居るのか聞いて回ったが成果はなし。
今日は諦めるかと来た道を戻ろうとした時。
「 あ、あぁ〜!君、そこの君だよ!黒髪の! 」
『 ? 』
「 キュ? 」
この世界で黒髪と言うのは少し珍しい。だから、黒髪と言う言葉に反応した俺は進めようとした足を止めた。
声がしたのは丁度真後ろ。聞いた事がない声に内心、首を傾げつつ振り返る。
「 ねぇ、君って雪野A君だよね?! 」
『 え、あ……はい 』
「 やっっっと会えた!バラッド学園の生徒達が王宮に来るって言うから楽しみにしていたのにA君に会えなくて気が狂ってしまいそうだったよ! 」
『 え、えと……? 』
ぐいぐいと距離を縮め、Aの手を握り締める男。
クセのある深紫の髪が揺れる。
そして、目の下に色濃く残るクマと少し
「 あぁ、自己紹介がまだだったね!僕はツィリ=フレント。バルガロッザ帝国一の研究者!兼、医者さ! 」
『 ゆ、雪野Aです…… 』
前のめりになるツィリから逃げる様に背を反らしたAは直感的に思った。
この人は関わると面倒臭いタイプの人間であると。
.
1502人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぱるむ(プロフ) - 続きを!!!!!! めっちゃ好きです!! (2021年6月29日 22時) (レス) id: fc15dafcd2 (このIDを非表示/違反報告)
白羅(プロフ) - 初めまして、楽しんで読ませていただいています。このシリーズの1作目が投稿された時からお気に入りで何度も読み返しています。完結状態ですがアイディアが浮かび次第更新して頂けたら嬉しいです。気長に待ってます。 (2021年1月30日 17時) (レス) id: dff74dac63 (このIDを非表示/違反報告)
真昼の空 - オリジナルだけどキャラ設定とかも凝っていてすごいです!!これからも更新楽しみにしてます!頑張ってください!! (2020年10月14日 14時) (レス) id: 8540b78713 (このIDを非表示/違反報告)
ケロロ - 何度読み返しても面白いです!更新楽しみに待ってます! (2020年9月30日 3時) (レス) id: e9685f451b (このIDを非表示/違反報告)
アイス - このあとの展開がめちゃくちゃ気になります! 更新を楽しみに待ってます! (2020年5月29日 18時) (レス) id: 1301bbdf34 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にじ | 作成日時:2018年3月2日 0時