episode.59 ページ10
.
「「「 最初はグー！！！！ 」」」
16人でじゃんけんして一発で勝敗が決まる事ってあるんですね。見事に一人勝ちを決めたのはエース。
「 っしゃーー！！ 」
「 はぁー？！負けた？！ 」
「 チッ…俺とした事が裏をかき過ぎたねい 」
エースが出したのはグー。他の全員はチョキ。
まあ、最初はグーとか言っておいてチョキを出した彼等はエースも含め他の人達がパーを出す事を予想したのだろう。皆、考える事は同じだったという事だ。エースを除いて、ではあるが。
悔しがる隊長さん達を尻目に一人勝ちを決めたエースはご機嫌だ。にこにこと可愛らしい笑みを浮かべ私の方へと駆け寄って来た。
「 A！見ててくれたか？！ 」
『 うん、見てたよ。一人勝ちなんて流石だね！ 』
「 だろだろ？！ 」
ぎゅう、と抱き着くエース。少し高めの体温に引き締まった身体。腰に回る腕。何より、ぴったりと密着するこの体勢で触れ合った素肌。
今の状況を把握出来て、他の事へ思考を巡らせる余裕が出てきた私は自分の体温が上がっていくのをはっきりと感じ取っていた。
「 今日は一緒に寝れるな！ 」
『 そう、だね。…エース、恥ずかしいから離して？ 』
服越しならまだしも、ダイレクトに伝わるエースの熱や鼓動は私に耐えられるものではなかった。
抱き締め返すべきか迷ってタイミングを逃した両手は宙を彷徨っているし。マルコさんとかサッチさんとかからの視線は痛いし。
いや、背中を向けてるエースはまだ良いよ？
でも私はさっきからばっちり視線が絡んでいて凄く怖い。私を睨んでもどうしようもないの…。
「 おいエース！お前は夜になりゃAちゃんと一緒に居られんだから今くらい離れろ！ 」
「 サッチの言う通りだよい 」
「 夜だけじゃ足んねーよ！ 」
ズルズルと引き摺られるエース。入れ替わる様に傍に立ったのはイゾウさんだった。
話し掛けるでもなく静かに
『 イゾウさん？ 』
「 エースと同室が嫌だったら俺の部屋に来ればいいさ。…待ってるぜ？ 」
『 え、や…その、』
唇の端、触れるか触れないかのギリギリのライン。一瞬だけ感じた柔らかさ。イゾウさんは自分の容姿を正しく理解出来ているのだろうか。
女性の様に見えるのは最初だけ。彼とて立派な男性だ。その身体も、声も、瞳も。
だから、私の顔が熱を持つのも当然の事。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2954人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レモン - 続編ないんですか？！すっごくこの作品好きなのに！4年もたってますが、更新期待してますっ！ (1月6日 12時) (
レス) @page50 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
夜 - マジで面白いです！続きお願いします！ (12月21日 15時) (レス) @page50 id: 3de4771c26 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 長らく更新されてないようですがぜひ更新再開していただけると嬉しいです、、文才が天才すぎます、、もっと麦わらの一味と絡ませてほしいです、、完結までついていかせてください、、 (2023年2月12日 14時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
キエラ(プロフ) - 今日この小説見つけてめちゃくちゃファンになりました！！続編お待ちしております... (2022年12月3日 13時) (レス) @page50 id: cdb417a741 (このIDを非表示/違反報告)
員脚 - ぞ、続編が、無い、、、、だと、、、、！！好みドストライクで続きが楽しみなんです！！初コメ失礼しました (2022年8月31日 11時) (レス) @page50 id: a61a8e014c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にじ
| 作成日時：2018年4月18日 22時
