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｢おまっ、子供だぞ！？お前と俺の！！子供なんだぞ！？一大事なんだよ自覚もて！！｣
昼1番
テーブルとこいつの間に、勢いよく俺の声が割って入った
ソファの上にくつろげた足をだらしなく撫でながら、ひかるはくつくつと楽しげに笑う
こんな話をしているのに、心底面白そうに笑うやつなんかこいつぐらいのものだ
｢そりゃそういう機能を持つ体なんだから中に出したら子供ができることもあるでしょ、分かってるってば〜｣
｢お前が中に出せっていうからだろ！！お前と俺と2人で責任をもたなきゃダメなんだよ！！｣
｢んぅ、そんなこと言われたっておれ発 情期で性 欲バグってたし、記憶飛んでて覚えてねえもん｣
何を言っても、きょとんとした顔のまま大きい瞳で俺を見つめる
宙に浮かせたつま先が空を切る
千切りされたリビングの空気はふわふわと漂って、触れればパチンと割れる
まるでシャボン玉だ
どれもこれも、俺の心境に似つかわしくない
撒いた種は芽吹いたものの、水やり担当が雑で適当で、すぐ枯れてしまいそうだ
繋ぎ止められると思っていた螺旋は、まるで猫のように放浪するこいつには効き目をなさない
｢んじゃ、産んだら連絡するからさ
あれ、おれってやぶのLINE知ってるっけ？｣
さっさと荷物をまとめて、そういえばやたらとでかいキャリーケースを引きずっていたなと思い出してからはっと気づいた
ひかるは平気な顔をして玄関先で靴紐を結んでいる
｢おいバカコラ待て｣
｢なにもう〜14:00の飛行機に乗るから時間ないの〜！｣
｢どこへ｣
｢ユーラシア大陸｣
｢国名を言え！！てかバカ！！子供抱えて海を渡るな！！｣
慌ててキャリーケース事引き止める
コンマ1秒遅ければレモンイエローのカバンを引きずってこの部屋から飛び立ってしまっていたであろう
そのぐらいこいつの放浪癖は酷いのだ
だから、螺旋で繋いで、遺伝子を分けて
傍に置いておきたかった
夜共に眠りに落ち、朝目が覚めると隣で眠るのはくたびれたニットのパジャマだけ
もうそんなのはごめんだ
くたくたによれた布切れを気に入って着ているひかるを、体ごとここに置いておきたかった
だからあの日、なんの躊躇いもなくこいつの誘いに乗ったのだ
無責任だと言われるかもしれないが、責任は後からとるから許してくれと
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わきにく(プロフ) - 柊さん» 初めまして、最後までお付き合い頂きありがとうございました。大好きな書き手様からお褒めのコメントを頂けて感動している次第です。柊さんのお話、いつも楽しみにしています♪ (2022年2月16日 4時) (
レス) id: 66cbc14d5f (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - コメント失礼致します。最後に立てられたスレがあまりにも良すぎて感動致しました。今後はこの家族の物語の続きを想像して、一人で癒されようと思います。 (2022年2月14日 2時) (レス) @page30 id: 9a230f5c32 (このIDを非表示/違反報告)
黒(プロフ) - ぱんさん» コメントありがとうございます♪最後までお付き合い頂きまして誠にありがとうございました！次回作もやぶひかで考えていますので、また是非☆。.: (2020年11月26日 14時) (レス) id: 55c0d6a608 (このIDを非表示/違反報告)
ぱん - お疲れ様でした。やぶひか好きなのでまた、書いてくれたら嬉しいです。 (2020年11月26日 3時) (レス) id: fdfa246519 (このIDを非表示/違反報告)
黒(プロフ) - しろくまさん» はじめまして！私的やぶひかを愛してくださりありがとうございます♪宜しければ最後までお付き合いくださいませ！ (2020年10月31日 18時) (レス) id: 55c0d6a608 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わきにく | 作成日時：2020年9月29日 3時
