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変わり映えもないけれど、先生との秘密な幸せの日々を過ごし、12月も後半 ──。
12/24…今日はクリスマスイブでもあるけど、学校的には終業式の日だ。
冬休みの宿題の話や、休暇中の過ごし方の指導をされ、帰りのHRも終わりに差し掛かった頃…
教壇に立っていた先生は急に姿勢を正し、神妙な面持ちを浮かべ、一呼吸置いてから話し出した。
｢はーい、皆さん聞いてくださいー。
最後に、先生からひとつ、報告があります｣
えー、なになにー！？なんて生徒達からの野次が飛ぶ中、先生は…バッと左手の甲を私達の方に向け、
｢先生実は…明日のクリスマスに入籍しますっ！｣
そう言った瞬間、クラスがドッと沸いた。
クラスメイトが口々に｢先生おめでとうー｣とか｢先生やるぅ〜！｣とか｢奥さんどんな人？綺麗？何歳ー？｣とか聞いてたけど、そんな言葉は私の頭に残る訳なくって。
左右の耳から入ってきてもノンストップで反対側の耳の外へ抜けていく。
だって…今先生が言った事が、あまりにも青天の霹靂すぎた、から。
結婚…？誰と？
ていうか、先生の彼女って…
私 の は ず だ っ た よ ね … ？
｢…意味不明、すぎ…っ、｣
全く持って理解出来ないこの現状に私はどうしていいのか、わからなかった。
自分の席から真っ直ぐ、先生の方を見つめると一瞬視線が絡んだのに…バツが悪そうに逸らされてしまった。
｢っ…皆、ありがとうな〜！
じゃあ、これでHR終わりっ。
楽しい冬休みを過ごしてくださいー。
はい、ほな日直っ。号令してー｣
｢はーい。きりーつっ！礼、さよーならっ｣
日直の号令が終わると共に、クラスメイトはわらわらと教室を出ていく。
友達が｢A帰ろー｣って誘ってくれたけど、私は席から動けなくって…
｢…ごめん、ちょっとやる事あるから先帰ってて｣
断ってしまった。
｢わかったー。じゃあまた冬休みどっかで遊ぼうねー！ばいばーい！｣
｢うん、またLINEする。バイバイ｣
折角誘ってくれた友達も帰して、私は他の人達が帰るのをボーッ待った。
っていうか、実際は動く気力すら起きなかっただけ、だけど。
そして…数分後。
皆漸く帰って教室には私と先生、の2人だけになって…
先に行動を起こしたのは ─
｢…A。ちょっと話しよか｣
─ 先生だった。
ガラガラと教室の前後に設置されている扉を閉めながら、そう声を掛けてきた先生に私は悟る。
( 終わりの始まりの瞬間を。 )
──
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